Whitelight DLC【実/況/者】 (ページ32)

今日:29 hit、昨日:1 hit、合計:13,137 hit

32 クサリページ32

バッといきなり目が覚め

「やっと起きた。」

近寄ってきたキヨくんとコハクを見て思い出した。

「今回のは事故だし…。」

今回の企画は1日動いて
かなりの遠方なので夜は宿に泊まって翌朝帰るスケジュール。
皆で夕食を食べているときにノールックで掴んだグラス。
烏龍茶だと思って一気に飲んだのはウィスキーで

……俺はそこから記憶がない。
ここは今夜泊まる部屋なのだが、
どうやって帰ってきたのかすらも分からない。

「レトさんやっと起きた〜？」

ガッチさんも隣の部屋から
何か面白いものを見るかのように近寄ってきた。

「うっわ…頭グラグラする。」

寝かされていた布団から体を起こした。

「そりゃあ、あれ43度からあるやつな上に…
あんだけ出せばな。」

うっしーは呆れたようにペットボトルの水を差し出してきた。

「え、俺やったの？」

「えぇ。そりゃあトイレで綺麗に。」

キヨくんがため息混じりに言った。

よく無いけれど良かったような。どちらにせよ…

「ごめん。」

「俺らじゃないよ。謝らなきゃいけないの。」

「そうだぞ。コハクに謝っとけよ。」

「え？」

頭が少し追いつかなかったが
一番先に近づいてきたわりには何も喋らず
目線を合わしてくれない彼女を見るとやっと目線が合った。

「ばか。あほ。おたんこなす。」

喋ったかと思えば出てきたのはあんまりな言葉だった。

だが、他の3人が大声で笑った。

「あ～んなに心配してたのはどこいった…笑？」

「大丈夫だよね？ってずっと言ってたのになぁ笑？」

「すっごい可愛かったよぉ…笑？」

彼女がワーワーと聞かさないように雑音を混ぜたが、

抵抗虚しく。全て聞き取れた。
そして何故そんなに彼女が心配で仕方なかったのか
分かってしまった。

だからこそ。

「まぁ、俺は大丈夫。」

この一言にした。

「…んじゃ。自分の部屋帰るわ〜おやすみ。」

「おやすみ〜コハク。」

「明日朝7時だったよな？」

「うん。1階に会場あるから現地集合ね。」

「コハク寝坊するなよ〜？」

「寝坊するのは君らな気がするんだけどな〜笑？」

ケラケラと笑いながら手をヒラヒラと振る彼女の後ろ姿。

襖が静かにピシャッと閉まり

「…俺も大概やな。」

完全に姿が見えなくなったときに口走った。

腐れ縁。そうなんだと思おう。