27 癖 ページ27
「酒癖凄い人は凄いからね。」
「ずっと素面のレトさんがそう感じるなら
そうなのかもね…笑」
「レトが言ってるのは主にあの子でしょ…笑」
「…あ。あの子か…笑」
「コハクが噛まれたやつね笑」
――――――
もう何年も前の実況者が大勢集められた飲み会で
起こったことであった。
「…っはぁっ…！いっった！」
突然の痛みに全身が震えた。
「え？！この子思いっきり噛んだんやけど？！」
背中で満足そうにしている女性実況者の彼女は
普段からくっつき虫のような子
この話の少し前から私の背中にくっついていたが
いつものことだとそのままにしていたのだ。
お冷を渡すと両手で大事そうにコップを持った。
彼女と仲のいい子を呼んできてもらって
連行されていく後ろ姿を見た。
「コハク、跡になってるぞ。」
私の隣に座っていたうっしーが気がついた。
「え、どんだけの力で噛んだの？！」
キヨくんがかなり驚いている。そんなに酷いのだろうか。
「マジか…こういうのってどう治すの…？」
「噛み跡でしょ？今は冷やせばいいはず。
確か氷だけ貰えるから貰ってこようか？」
ガッチさんが提案をした。
「…小さい子同士の喧嘩は噛みつくの多いから。」
「別に変に疑ってないよ…笑
じゃあ、ガッチさん頼んでもいいですか？」
「うん。言ってくるね。」
取ってきてくれた氷で冷やしながら雑談を続けた。
15分ほどが経ってから氷を外した。
「あ〜まだあるね…」
「そりゃ内出血みたいなもんだからなぁ…」
「明日も人に会うから出来るだけ消したいけど…。
タートルネックみたいなの着るしかないか…」
「コンシーラー…？かファンデーションが自然らしい。」
キヨくんが調べた情報を見せてくれた。
「その手があった。レト、やってくれない？」
バックの中からファンデーションを取り出した。
「分かった。」
髪を耳にかけ塗りやすいようにした。
「すまん。服ちょっと広げないと付くかも。」
「あー。広げていいよ。」
首元が右に引っ張られる感覚。かなりのフェザータッチ。
「ん。終わった。」
「ありがと。どう？」
「言わなきゃ分からないぐらいにはなった。」
――――――
「皆さんお気をつけくださいね…笑」
「うんうん。」
「飲み会って楽しいからねぇ…笑」
「迷惑かけない程度に楽しめ。」
「その通りだな。」
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2022年6月14日 20時
