19 受け入れ ページ18
「大丈夫。落ち着こう。
頑張ってるよ。
□□、もう十分頑張ってるよ。」
こちらがビックリするぐらい
グズグズに泣いている女性活動者。
コハクが中心で宥めている。
その周りのスタッフさんも声をかけている。
30分ぐらい続いたがやっと収まってきたようだ。
スタッフさんがコハクに深々と頭を下げ
やっと落ち着いた女性活動者と共に引き上げた。
コハクがこちらへ歩いてきた。
「お疲れ。」
「ううん。とりあえず落ち着いたみたいで良かったよ。」
何が起こったかと言えば、
全てを話すと長くなるので割愛するが、
すごく簡単にまとめると
女性活動者を見下し、全否定する発言をした奴がいた。
名指しはしていないが、
主にコハクに向けてしつこく言っていた。
「そうだな。」
俺とコハクの2人で参加したイベントがさっき終わった。
やっと楽屋へと向かって歩き出せた。
「純粋すぎちゃったんやろな。」
「コハクは？」
「私？何か言ってんな〜ぐらいでしかないよ。
あんなのいっぱい書かれるし。」
いつしかネットで見た風刺画を思い出した。
二人の女学生が描かれていて、
一人の背中に矢が一本、
もう一人の背中に矢が沢山刺さっている状態なのに
一本だけ刺さっている子の方が泣いていて
周りの人達に心配されているという絵。
今、もしかしなくてもその状態なのでは。
「それ、感覚が変になってるだけだぞ。」
「ハッキリ言ってくれるね。うっしー笑
まぁ…私は私でやりたいことやってるし、不満はないから。
ありがたいことに母数が多いんだから仕方のないことだし、
全部反応してたんじゃ保たないよ。」
彼女自身がそう納得しているのなら
俺からは何も言うことがない。
「そうか。」
「でも、心配してくれてありがとう。
どっかの機会で頼るかもね。」
「無いことを望んでるけど、何時でもどうぞ笑」
頼るかもね。という言葉に嬉しさを感じながら
楽屋までの道を歩いた。
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2022年6月14日 20時
