12 ラッシュ ページ12
家へ着いてから少し音を立てて
荷物を床へと置いた。
「ありがとう。手、洗ってきな。洗面所の場所分かる？」
「レトさんちと一緒？」
「一緒。」
「なら分かる。」
キヨくんは洗面所へと向かい、
私は流しで手を洗って買ってきたものを冷蔵庫へと入れた。
洗面所から帰ってきたキヨくんに一言聞いた。
「キヨくん麦茶でええ？」
「麦茶がいい。」
来客用のコップに麦茶を注ぎ
コースターを引きキヨくんの目の前に出した。
「どうぞ。」
「いただきま〜す。」
麦茶に口をつけるキヨくんを後ろに
まな板と包丁を取り出してから
冷蔵庫からスイカを取り出した。
「それで1/4か…頑張ったな。」
キッチンの目の前にある
テーブルに座っているキヨくんが反応した。
「でしょ？一昨日からずっと食べてるの。」
サクサク音を立てながらスイカを食べやすい大きさに切った。
「…はい。出来たよ。」
スイカが乗ったお皿が2枚テーブルに並んだ。
いただきま〜すと挨拶をしてからシャクッとかぶりついた。
「うまっ…スイカとか何年ぶりだろ。」
「たしかに一人暮らしで
滅多にスーパーに行かないとなると中々食べないよね。」
「そうだな。」
返事をしながらまた一口。とキヨくんが食べた。
雑談をしながらスイカを食べきった。
話の区切りが良いところまで一休憩。
「よし…一休みしたし、送っていくよ。」
すぐに帰ってくるし、と電気は付けたまま鍵を閉め
車を停めたコインパーキングまで歩き
会計を済ませて車に乗り込んだ。
「キヨくん家って
◯◯方面から行った方が近いの？それとも△△方面？」
「どっちもどっちだと思う…
◯◯方面からの方が信号は少ないかな。住宅街だし。」
「そっちから行った方が良さそうね。OK。」
話を聞き終わってから車を発進させた。
帰宅ラッシュの終わりかけではあるが車は少し多めに感じる。
15分ほどの車内でも会話は尽きなかった。
キヨくんのマンションへと着き彼が助手席から降りた。
「ありがとう。あと、ご馳走さま。美味しかった。」
「いいえ。こちらこそありがとう。」
お互いにサラッと別れを告げ私は車を発進させた。
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2022年6月14日 20時
