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11 夏の夕 ページ11

夏、夕方の昼のように明るい頃
帰り道である
裏道の公園沿いをドライブがてら
車でゆっくりと走行していたときのことだった。

安全な場所に止めて少し待った。

「お兄さん乗っていかない?」

「……?!ビックリした。」

「ちょっと無視しようとしたでしょ笑
それで正解ですけどね。」

公園沿いを歩いていた後ろ姿は見覚えのあるもので、
正体はキヨくんだった。

「ってことはここ…」

「×××だよ。私の家の近く。」

「俺歩きすぎじゃね?」

「うん。キヨくんの家から
軽く6kmぐらいあるんじゃないの?」

「あると思う。」

「あ…そうだ。止めた理由。」

キヨくんは手に持っていた
スポーツドリンクのキャップを開けて1口飲み込んだ。

「キヨくんさ、スイカとか食べれる?」

「まぁ食べれるよ。しばらく食べてないけど。」

「ウチに食べに来てくれない?

知り合いから結構な大きさの1玉が丸々贈られてきてね…
あと1/4なの。」

「あ〜そういうことなら。行かせてもらおうかな。」

「よし。交渉成立ね。
なんなら帰り送って帰るよ。車返すついでに。」

「え。それは助かる。」

「助手席乗り。後ろ買い物袋積んでるし。」

「分かった。」

トントン拍子に進んだ話。
助手席に乗りシートベルトを閉めたキヨくんを確認して
あと5分ほどで着く家の近くにあるコインパーキングへと
車を走らせた。

車を停めて後ろの座席に積みこんだエコバッグを2袋持った。

「持つよ。」

右手を出したキヨくんに私は驚いた。

「え、ホント?」

「別にこれぐらい何ともないわ。」

私は自分の荷物が入った鞄とエコバッグ
キヨくんはエコバッグを手に持ってマンションへと入った。

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作者名:みこと | 作者ホームページ:http://なし)ー  
作成日時:2022年6月14日 20時

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