【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ33)

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３２話ページ33

「…先パイは行かないんすか？」

単純に疑問に思った事だ。
Aはいつも無表情か嫌そうな顔しかしないし、性格もクズだが皆から嫌われてはいない。
むしろ面白い奴だとからかわれたりと、割と好かれている方だ。

しかし、Aは犬神以外の人とはあまり長い時間一緒にいない。
本人には口が裂けても言えないが、友人として犬神に心を許しているのだ。

それをなんとなく爆豪は感じ取っていた。

「いやあだって俺、アイツん家知らねぇもん。」

「…はあ！！？」

「確かに俺はAとは一番仲の良い友人だとは俺自身自覚はあるし、それなりに気を許してくれてるとも思っている。
でも、俺よか爆豪の方が心は許してると思うよ？」

常にされている爽やかな笑みとも、先程の企みを含んだ笑みとも違う、優しい笑みをする犬神。

「アイツってさ、ああ見えて結構人を寄せ付けるタイプだけど特定の人と仲良くなる事はまずしない。ちょー厚い壁作ってるんだ。
俺には多少友好的にしてくれるけどプライベートで会った事は一切ないんだ。学校内でのみ仲良し。

だけど爆豪君には放課後に勉強教えたり特訓付けたり…一応って感じかもだけどしてくれたでしょ？
他の人からしたら当たり前だけど、Aにしてはかなり珍しいんだ。

それにさ、最近のA。爆豪君の話しかしないもん。」

殆ど皮肉なんだけどねーと笑いながら犬神は言った。
当たり前の様に、さらっと教室で談笑するかの様に爆豪にとって爆弾発言をする犬神に爆豪は頬が熱くなるのを止められなかった。

「あっはっはー！ホモだ！」

「るっせぇ！！！違う！！！」

後から小さな声で爆豪がたぶんと言ったのを狼という個性を持っていて通常より何倍も耳の良い犬神は聞き逃さなかった。