【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ20)

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１９話ページ20

『あ"ぁ！？此方とら真後ろにゼロ距離の野郎どもがいるんだぞ！？んで都合よく女いねぇんだよ！！
それに押されて不可抗力とはいえ、んな可愛げのない野郎を壁ドンだぞ！？ザケんなよマジで！！！？？』

「いや、電車とかで他人はいい…っつかしょうがないっすけど、…なんか先パイは嫌っす。……煙草くせぇ。」

『ふっっざけ―――っっ！！』

一番この状況が不服なAが珍しく耐えているのに不満を漏らす爆豪に一言言ってやろうと爆豪を見る。
爆豪はAの方を見ないようにか、斜め下を向いていて表情は窺えなかったが、髪から覗く耳は薄っすらと赤く染まっていた。

ヤメロヤメロヤメロヤメロ！！！
マジでやめろ！！んな反応すんじゃねぇ！！

誰にも見られないよう壁についていた片手で自分の顔を覆う。
その隠された顔の表情は険しくゆがんでいた。

「…？先パイ…？」

怪訝に思った爆豪がAの顔を覗き込む。

「だいじょーーーーぶ！！！」

瞬間、出口の方からそんな声が聞こえてきた。どうやら爆豪と同じクラスの飯田という男らしい。
飯田は個性を使って扉の上まで行って何やら変な格好で叫んでいる。

彼もこの騒動がマスコミの仕業と気付いていて、それを伝える為に派手な行動をしたようだ。

そのお陰で周りの生徒達も徐々に冷静になっていき、あんなに多かった人もそれぞれの昼休みに戻っていった。
この状況に爆豪も安堵したが、先程様子の可笑しかったAを思い出してまた声をかける。

「あ、あの先パイ…。」

『キモチワルイ………。

前も後ろも野郎にサンドイッチとかなんで俺がこんな目に合わなきゃらなないんだ！』

「………は？」

『あーあーあー、やっと解放された。こんなの二度と御免だ。ったく、せめてお前が女なら良かったものの…。』

そう言いながら爆豪から離れてまるでゴミを見るかのような目つきで見てくる。
しかも爆豪やAの言う野郎に触れたであろう箇所をゴミを払うかの様に手で払っていた。

さっきまでのAが幻だと錯覚するくらいいつも通りのクズっぷりに爆豪は唖然とする。

「～～っっ！ざっけんなああああ！！！」

先程の飯田の叫びに負けない腹からの爆豪の怒声が校内中に響き渡った。