【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ21)

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２０話ページ21

数日経ったある日、今日も爆豪はAのクラスにやってきた。
いつも時通りの事であったが、Aは爆豪が今目の前にいる事に驚いていた。

『あのさあ、普通大量の敵に襲われたら死ぬだろ、なんで生きてんだよお前。とんだ期待外れだ、やり直し。』

「誰がやり直すかクソがっっ！！！」

爆豪を含む１Aの生徒達がヒーロー基礎学の授業中、USJにて敵に襲われたという事は全校生徒に直ぐ広まった。
もちろんAの耳にも入り、ああ、爆豪クンサヨウナラ。なんて思っていたが、今目の前にいる爆豪は予想外に無傷で元気そうだった。

「もうすぐ体育祭っすよね。修行つけてください。」

『あのねえ、俺は今、深刻な問題に立ちはだかってんだよ。』

「深刻な問題？煙草が切れたとかっすか？これを機に禁煙しろ。」

何時も通りの爆豪の頼みを軽く受け流したAは光の入った真剣眼差しで爆豪を見る。
しかし、爆豪もAと出会って結構経っている。こういう表情をする時は大抵ろくでもない事だと理解していた。

『それは深刻な問題で済まされん、死活問題だ。 ……今月の金を全て使いきった。』

「……は？」

Aの食費を含む月一の小遣いが支給制である事はAの友人の犬神から聞いていた。その殆どを煙草に消えていることも。

来月の頭に支給される金まで、まだ一週間程あり、それまで0円生活を強いられているという。

『雨水と塩で今週を乗り切れるかどうかが今後の俺の課題だな。修行なんざして腹減ったらマジで餓死する。』

「そっちのが死活問題じゃねぇか！！！マジで煙草止めろよ！！」

『バカ野郎！！そっちのが辛いわ！！！』

「バカはてめぇだ！！！」

*

『あーーーー帰りてぇ。マジでかったりぃ。』

「ふざけんな。先パイの命は俺が預かってんっすよ。」

『うっわ敵だ。助けてヒーロー。』

今週の食費が０になったAに学校がある日の昼食だけでも奢る事になった爆豪。その報酬は修行をつける事。
結局、運動して腹を空かせに来る分、変わらないんじゃないかと犬神に言われた時は本当に絶望した。

今は全ての授業が終えた放課後。教師に許可を得て借りた練習場にて爆豪と向き合っている。

ずっと待ち望んだ憧れの相手との修行が嬉しいのか、心なしか目が輝いている。
ただし、いつも以上に凶悪な面構えだ。