私と奇妙な文芸部 (ページ3)

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03.お誘いページ3

授業はいつも通りで、気づいたらいつの間にか終わっている。荷物を片付けると私はぼんやりと壁を見つめ、やる気をほんの少しでも探し求める。

「部活かぁ…」
　ポルナレフは私に部活動を見学してほしいみたいだ。言われたからにはとりあえず、アニメ研究会でも見学してみるか…

「もしも～し？」

「ポルナレフ…？」
　どうやら私がぼーっとしてる間、ポルナレフが教室に入ってきたらしい。周りを見ると、もう残っているのは私だけだ。
「教室から出てくるのを待ってたんだけどよ、中でぼーっとしてたから入ってきたんだぜ。正直たまに俺よりもだらけてるよな…感心！」
　なぜそこで感心するのか。私には理解ができない。あとなんかムカつく。
「あんたが部活に遅れるようなら、別に私の事なんて待たなくてもいいんだよ」
「いや、もしかすると後押しが必要かと思ったから、その…な？」
　ポルナレフはばつが悪そうに、私から目をそらしながら言う。意味がよくわからなくて、「なんの事？」と聞き返す。
「俺の部活に来たらいいんじゃねぇかって！」
「ポルナレフ…」
「なんだぁ？」
「…私はあんたの部活に行く気は微塵もないわよ」
「はぁぁぁぁ！？いじわるだなぁ！」
　私の返答に、ポルナレフはしょんぼり項垂れる。
　だって、そもそも部活は自分がやりたいからやるんじゃないか。大事よ、個人の尊重！
　ポルナレフは文芸部の副部長をやっている。その事実を知ったときは、槍でもナイフでも降ってくるんじゃないかと思った。こんなムキムキの男子高校生が、文化系の部活をやっているということにも驚きなのに。いや、そもそも文芸に興味があったなんて全く知らなかった。もしかすると、新たに部活を作るのをやりたかっただけだろう、と内心99%思っている。活動を希望した人の次に初めて興味を示した彼は、『副部長』の座を得た。
　…それに、私の文学への興味は彼以下だろう。全く本は読まない人である。私は。

「うん、やっぱアニ研に行くね」
「頼むよ～…」
「どうしてそこまでして連れていきたいの？」
　疑問をポルナレフに問いかけると、彼はまたもや私から目線を窓に向けた。少々冷や汗が流れている気がする。
「え～っとなぁ、昨日部活のメンバーに新しい部員連れてくるって言っちまったんだよ…それにジョニィカップケーキとか作っちまったし…」