私と奇妙な文芸部 (ページ1)

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01.はじまり、プロローグ。ページ1

「おーーーーーい！！」
　学校へ登校する通学路。遠くからうるさい男子が、周りの目など全く気にせず、宙に手を振りながらこちらへ向かって走ってくる。
　あいつはポルナレフ。隣に住む私の幼馴染み。今となっては作らないタイプの友達だけど、昔からの知り合いだからこその交友関係とでも言えばいいだろうか？こういう日には昔はよく一緒に登校したけど、高校の頃から彼は寝坊が多くなり(あの髪の毛のセットに時間が掛かってるのではと思う)、私もそんな彼を待つのがだるくなっていった。しかし、こうやって追ってくるのならいっその事走って逃げた方がいい気もする。
　それでも私はため息をつきながら、横断歩道の前でぶらぶらとポルナレフを待つ。
「はあぁ……はあぁ……」と、息を切れさせて登場したポルナレフ。
「また寝坊しちまったあ！でも今度は追い付いたからな！」
「私が立ち止まってあんたを待ってやったからなんだけどね」
「ええええ、まるで俺を無視するつもりだったような言い方だな！ひでぇぜ、A！」
「まあ、あんたが周りからジロジロ見られる行動をとってカップルと間違われたくないからね」
　遠回しに、さっきのようなことはやめてくれと言った。しかしそれは伝わらなかった感じで、ポルナレフは「へい、へい」と言い流した。
「でも結局俺のこと待っててくれたんだよな。Aって意地悪しようとしてもできねぇのかもな～」
「まあなんだっていいわ…」
　図星を隠すように、なるべく自然に流した。「へへへ～」と言う声がなんだかムカついた。
　一緒に道路を渡り、学校へと向かう。学校へ近づくと、通学路には他の生徒の姿が徐々に増えていく。
「そうだ、A…そろそろどの部活に入るか決めたか？」
「部活？もう言ったでしょ、私は部活動には興味無いって。それに、まだ探したりもしてないし」
　私の返答に、ポルナレフはマジ？というような顔する。
「はァ？そんなわけねぇだろ！今年は部活に入るって言ったじゃんかよお！」
「言ったっけ…？」
　彼との会話で私は適当にうんうんと頷いている事も多く、いつかそんな会話の中でそう言ってしまった可能性は十分ある。
　私はフツーの生活を送って、自由時間をアニメやゲームに費やせるだけでいいのに、ポルナレフはそんな私の事をつい心配しすぎてしまう癖がある。