ふぃふてぃーん ページ15
「おぅ、珍しいな。お前らが来るなんて」
そう言った老人は、薄く笑って私と姉の頭をガシガシと撫でた
頭がぐわぐわして、すぐに振り払ったおねえちゃんとは違って、私は反応できずにぐるぐるして
視界が回って、気絶した
「起きたか？」
気がつけば、知らない部屋の中心にぽつりと敷かれた布団の上だった
目の前には老人があぐらを掻いて私の頭を、今度は優しく撫でて
知らない感覚だった
あの頃、味方なんていなくて、優しくしてくれる人なんて、家の中にもいなくて
大きなシワのついたキズだらけの手が、何よりも暖かくて
「おいおい、何泣いてんだ。ったく、ワカンねぇなやっぱり」
今思えば、ひいじいちゃんは相当元気な老人だった
泣いている私に困ったひいじいちゃんは、まだ小さかったとはいえ、肩車をして家の案内をしてくれた
どうやら家族はみんな帰ってしまったようだったけど、ひいじいちゃんは跡を追わせようとはせず、その日いっぱい一緒にいろんな話をしてくれて
また来い、と言ってくれて
私は次の日に家に帰った
勿論、どうやっていけばいいのかなんて、当時の私には分からなくて、どうしようもなく行きたくなった私は、数日後家を飛び出した
丁度後のショッピの家の前だった
「A！」
「ひいじいちゃん！！」
よく覚えてる
引っ越しのトラックが止まって、前の住人の荷物が次々と出ていく中、私はひいじいちゃんに抱かれて泣きながらひいじいちゃんの家に連れてってもらったんだ
「お前はいつも泣いてるな」
ひいじいちゃんは、私が泣き止んだのを見計らって、そう言って話し始めた
「家にいたくないなら、うちに来い。しんどくなったらここに来い。道は後で教えてやる」
「うん、！」
家にいたくないなんて、思ってない
しんどいなんて、思ってない
そう言いたかった
だって、私は
父も母も姉も、嫌いではなかったし、家族だと思っていた
突然
コロン
妙に軽く、重い音が響いた
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あるか(プロフ) - 赤月奏楽さん» ありがとうございます〜！いや〜運命ですっ(( (2021年1月17日 20時) (
レス) id: 361634c89c (このIDを非表示/違反報告)
赤月奏楽 - 完結している作品全部読んでました。どうやら僕は作者様の作品に惹かれるみたいですね。運命ですね← (2021年1月17日 9時) (レス) id: 0a13c144ca (このIDを非表示/違反報告)
あるか(プロフ) - すみれいんさん» ありがとうござます〜！策略です(ﾌﾌﾌ…毎日更新心がけるので是非是非！ (2021年1月15日 1時) (レス) id: 361634c89c (このIDを非表示/違反報告)
あるか(プロフ) - まるさん» ありがとうございます〜！どうぞお楽しみに！ (2021年1月15日 1時) (レス) id: 361634c89c (このIDを非表示/違反報告)
あるか(プロフ) - 天井(あまい)さん» ありがとうございます〜！はじめからですね、嬉しいです！ (2021年1月15日 1時) (レス) id: 361634c89c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるか | 作成日時：2020年12月31日 12時
