8頁 白と青とケバインク ページ9
ケバインクが足場から大量に溢れ出し、意志を持ったかのように私たちを捕らえにくる。ケバインクの触手はアタリメさんを巻きとって、次に私に向かって伸びてくる。何とか身を捩って抜け出すが、ブキと装備が剥がれる。
アタリメさんがなにか叫んでいるが風圧で何も聞こえない。手を伸ばすがあと一歩届かず、そのまま見えなくなってしまった。
そのうち穴の中に光が届かなくなり、視界が黒に染まった。
落ちる間際に、穴の縁に人影があった気がした。
⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰
目を覚ましてすぐに飛び込んできたのは、白く広がる不思議な世界だった。
「こ、こは？」
何とか痛む体を起こし、周りを見渡す。すぐそばには心配そうにこちらを見るコジャケの姿があった。
「よかった、コジャケちゃん無事だ」
小さな体をしっかりと抱き上げ、背面の待機場所に入れる。そして、すぐそばに落ちていた黄色のシューターを握り直す。さっきまでよりも随分軽くなり、命を預けるには少し心もとない。
「中身、壊れちゃった……さっき落としたのかな？」
足裏の砂のような感触を踏み締めながら歩き出す。
「…おーい」
誰かの声が聞こえる。どうやらそれは、遠くに見える建物？ の近くから聞こえているようだ。
「おーい、3号、3号ー！」
ある程度近付いた所でようやくしっかりとその姿を見ることができた。大きく手を振る黒髪のガールと傘を持った白髪のガール。そしてその真ん中に、黄色髪で継ぎ接ぎ布を被ったガールが座っていた。
「よかったー、無事みたいだね！」
謎のガールさんたちこの空間について説明してくれた。
3人は『NEW!! カラストンビ部隊』の司令と1号、2号だという。黄色髪の司令さん、黒髪の1号さん、白髪の2号さん。
どうやらここはオルタナという所で、中央のロケット以外に6つのサイトがあること。アタリメさんとは落ちた時にはぐれてしまったようで、次のサイトにそれらしき反応があること。そして私は、大量のケバインクを除去しなければならないらしい。
「それにしても……」
「この量をどうしろと……？」
見える限りでもここだけでおびただしい数のコアがある。私は軽い装備を持ったまま、いやに青い空の元で途方に暮れるしか無かった。
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ソルシード(プロフ) - りんごさん» ｱｯすみません！消し忘れてました。ご指摘ありがとうございます！ (2022年11月5日 22時) (
レス) id: 4da8726d25 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - オリ，フラ立ってますよ！ (2022年11月5日 22時) (レス) id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソルシード | 作成日時：2022年11月5日 21時
