11頁 幻惑 (セリフ改変多め) ページ12
私は完全に混乱していたが、カラストンビ部隊の3人は至って冷静沈着だった。気まずい静寂が流れる。
その静寂を破ったのは、ウツホちゃんの悲痛な叫びであった。
「くっ、やはり意外性か……！」
「んー、2回目やからとちゃう？」
頭を抱えて項垂れるウツホちゃんと、それに少し真面目そうな声で返す姐さん。
「ううん、すっごくかっこよかった！」
1号さんがフォローを入れる。
「えーと、すりみ連合がうちらになんの用？ってかすりみ連合って…」
「なんじゃぁ、分からんのか？ オタカラ探しじゃよ」
2号さんの質問にウツホちゃんはさも当然の事かのように返した。
「そこまで教えたはる義理はないで」
そんなウツホちゃんに対して、画面越しなんかよりもずっと冷たい、姐さんの声が地面に落ちていく。
「エイエイ…(あっちの活動に支障出ちゃうかもだし…)」
「でもま、言うとすれば。こっちが正体ならあっちは『仮面』ってとこやな」
つり上がった口角を扇子で隠し、キュッと目を細めたあの顔で笑う。
「それにしても、クレーターの下に来てみればこんな空間があるなんてのう」
「エイ！ (オタカラ沢山ありそう！ )」
「高く売れるやろなぁ」
「で、オマエさんらもオタカラを狙ってるんじゃろ？」
こちらに向き直り、ウツホちゃんが再度問いかける。
「オタカラはワシらが残らずいただくつもりじゃて、先にワビ入れとこうと思ってのぅ」
至って自然な言葉でも、有無を言わせない圧力を感じる。
「わあ、礼儀正しい人達なんだね！」
1号さんの曇りなき賞賛を受け、一瞬驚いたように見えた。
「あっはははは！ 脅しも通じひんとは…えらい勇敢どすなぁ」
フウカ姐さんはそんな1号さんの言動がそんなに可笑しかったのか、ずっと仰け反るほど高笑いをしている。そうかと思ったら突然ぴたりと動きを止め、体勢を立て直した。
「とにかく、オタカラはぜ〜んぶウチらのもんやさかい。アンタらもせいぜい お気張りやす〜」
挑発的にそれだけ言うと、手に持つ扇子を意味ありげに軽く持ち上げた。次の瞬間。
「ほな、カイサン! 」
3人の足元に破裂する爆弾のようなものを仕込んであったのか、突然爆発した。そして、その煙幕がすりみ連合の姿を隠してしまった。
煙が晴れた後には、そこには誰もいなかった。
私はただその光景をぼんやり眺めていたのだが、ふと目眩を感じた。次第に立ってすら居られなくなり、浮遊感を感じて、耳元で、だれかの、こえが、きこえて……
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歯車は狂いだした
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ソルシード(プロフ) - りんごさん» ｱｯすみません！消し忘れてました。ご指摘ありがとうございます！ (2022年11月5日 22時) (
レス) id: 4da8726d25 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - オリ，フラ立ってますよ！ (2022年11月5日 22時) (レス) id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソルシード | 作成日時：2022年11月5日 21時
