【文スト】式神？いいえ、侍です【銀魂】

侍1 ページ2

櫻木家の家がある森の奥。刀を交える音。


櫻木家の式神＿＿＿坂田銀時と高杉晋助である。


勝敗がすぐにつくはずもなく、振るった剣が周囲の木々を倒している。


互いが互いの方へ走り、刀を振り上げた時。


｢そこまでです｣


2人の刀が、斬られた。


｢だ、誰だテメェ！邪魔すんじゃねーよ！｣


銀時が不機嫌そうに叫ぶ。高杉も些か不服そうである。


｢すみません。稽古にしては激しすぎると思いまして。木が倒れるほど刀を振るうとは……｣


茶とも灰とも似つかない色の長髪に、にっこりと柔らかい笑みを携える着物姿の男。


先刻、2人の刀を斬った彼のそれは既に収められている。


｢稽古じゃねェ、喧嘩だ｣


高杉が男を睨む。


｢だいたいテメェ、何故こんな山奥に居る？｣

｢そっ……そうだそうだ！ここはそんな簡単に入り込める場所じゃぁねーよ｣

｢散歩してたら道に迷ってしまいました｣


あはは、と頭を搔く男。高杉はジト目、銀時は引きつった笑みを浮かべている。


｢あ、そう……一応ここ、俺達の家の敷地内なんだけど？不法侵入ですかコノヤロー。免許証見せろよ｣

｢免許は忘れてしまいました、市内で私塾を開いています、吉田松陽といいます｣

｢へェ、先生かい｣

｢ほおー、じゃあ松陽センセーとやら、俺達にも1つ授業でもしてくれや、ガッコーなんて行ったことねーからよ｣

｢構いませんよ。では1つ……｣

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