菜の花畑## ページ7
小塚side
一通り若武の家を散策して、書斎に戻って来た
「さて、諸君！！何かしたい事はあるか？」
「って、お前が考えてないのかよ！」
上杉の見事なツッコミ
この場の誰もが思った事を、上杉が代弁しただけなんだけどね
このまま喧嘩に発展しそうな時、
「あ、あの・・・」
と、よく通るソプラノの声が響いた
上杉はその声を聞いて着席し、若武は何故か勝ち誇ったような顔をした
「アーヤ、なんだ？」
「私、行きたい所があるんだ。＿＿＿に行きたいの」
「・・・菜の花畑？」
若武が素っ頓狂な声を上げる
「菜の花畑なんて、そんな所・・・」
「いいじゃん、別に。若武なんも考えてないんだろ？」
七鬼のど正論に、若武はグッと言葉に詰まる
「小塚、この近くに菜の花畑ってないか？」
「あるよ。テレビでやってたんだ。自転車で行ける距離だけど」
「じゃあ行くか」
そう言って上杉が立ち上がり、続けて黒木と美門も立ち上がる
「おい！お前ら、リーダーを差し置いて先に行くな！」
叫びながら若武も書斎を出て行く
その後を追って、七鬼も行ってしまう
僕はアーヤと顔を見合わせて、苦笑いを浮かべた
#
「うわぁ・・・」
アーヤがそんな声を上げる程、とても美しい光景だった
辺り一面に菜の花が広がっていて、一言で言うと、綺麗
テレビで見た事があったけど、やっぱり画面越しと生で見るのとは違うなぁ
「すっげぇ綺麗だな」
七鬼が「スクリーンで見たけど」と、余計な一言を付け加える
「諸君、これを見ろ！！」
そう言って、若武がずいっと差し出して来たのは、3段程の重箱
「島崎さんに作ってもらったんだ。皆で食べようぜ」
「・・・あ、あそこが良いんじゃない？」
美門が指差したのは、菜の花畑の中で少し開けた場所だった
上杉と黒木、美門で場所を整えて皆でワイワイと食べ始める
そして、また若武と上杉が喧嘩をし始める
僕達は、今度こそ完璧なる傍観者になった
その時、ザァッーと強い風が吹いた
菜の花が風に揺れ、吹雪が舞った
「アーヤ、髪の毛に花びらが」
黒木がアーヤの髪から、菜の花の花弁を取る
「ありがとう、黒木君」
その時アーヤは、
#
太陽みたいな笑顔を浮かべた
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けい - 更新頑張って！ (12月3日 21時) (
レス) @page25 id: df4e5119e7 (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - なーさん、あおいさん、candyさん、読んでくれてありがとうございます。続編の彼方の春星は、現在大幅に修正を入れています。近々全体に公開予定ですので、しばしお待ち下さい。 (2020年5月28日 21時) (レス) id: ef1cf094cc (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - かよさん» ありがとうございます！ (2020年5月28日 20時) (レス) id: ef1cf094cc (このIDを非表示/違反報告)
candy - 天奏さん、とっても面白かったです！！続編も見たいので、もし宜しければ観覧パス教えていただけませんか？ (2020年5月24日 9時) (レス) id: 6b72a2ad5a (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - すごく面白かったです！ 私、天奏さんの作品大好きなんです！ なんですけど、この小説の続編が見れないんですよね。 良ければ、観覧パスワード、教えていただけますか？ よろしくお願いいたします。 (2020年5月12日 13時) (レス) id: 331ddf8f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天奏 | 作成日時：2019年6月24日 21時
