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思い出の欠片# ページ5

小塚side






休み時間になって、僕は上杉と一緒に階段を駆け上った






もちろん、いつもの様にまだ誰もおらず






僕達がいつも座っている隅のテーブルは、ガランとしていた






そこで僕と上杉は、皆が来るのを待った






僕らの次に黒木、若武、七鬼、美門、そして最後はアーヤだった






アーヤが来るまで、僕達は無言






皆が皆、どこかピリピリした雰囲気をしていたんだ






だからなのか、その日






アーヤが来た時、






いつも持って来ていた、“事件ノート”を持っていなかったのに






誰も、気付けなかった






#






「アーヤ、どうしたの?」






アーヤが来て、暫く無言の状況で口火を切ったのは、黒木だった






「えっとね、」






アーヤは言いにくそうにしていたけど、何かを決心したのか、言った






「皆、クリスマス前の3日間、空いてる?」






「「「「・・・へ?/は?」」」」






余りにも突拍子がなさ過ぎて、黒木までもがポカンとした表情をしていた






「あ、いや、その」






反対に、アーヤは僕らの反応を見て、しどろもどろに






「皆と、思い出作りたいな、って・・・。ダメ、かな?」






アーヤが言い訳をするかのように、辿々しく言う






「皆の都合がつけば良いんだけど・・・」






その言葉に、一早く反応したのは、やっぱり黒木だった






「俺は大丈夫だよ」






ニッコリと笑みを浮かべて、承諾する






それに続く様に、僕達も慌てて言う






「俺も用事はないぜ」






「・・・右に同じく」






「ぼ、僕もだよ」






「俺も」






「はいはい!俺も!」






異様にテンションが高い七鬼






上杉が良いって言うのには、さすがの僕も驚いた






「じゃあ23日〜25日に俺ん家に泊まりで良いか?」






若武の提案に、全員で「分かった」と答える






「バカ武の家に泊まるのは、少々引けるが」





「お前、バカ武っつったな?!」






あ〜あ






また喧嘩が始まっちゃった






相変わらずだな〜






今回は、黒木達も止める気がないようで、皆で観戦していた






そして、ドンドン過激になってしまうので、






遂には黒木達が止めに入る事態になってしまった






僕らはそれを呆れながら見ていた






その時の僕らは、






君がとても幸せそうで、






そして、とても






辛そうな表情を浮かべていた事を、






#






知らない

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けい - 更新頑張って! (12月3日 21時) (レス) @page25 id: df4e5119e7 (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - なーさん、あおいさん、candyさん、読んでくれてありがとうございます。続編の彼方の春星は、現在大幅に修正を入れています。近々全体に公開予定ですので、しばしお待ち下さい。 (2020年5月28日 21時) (レス) id: ef1cf094cc (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - かよさん» ありがとうございます! (2020年5月28日 20時) (レス) id: ef1cf094cc (このIDを非表示/違反報告)
candy - 天奏さん、とっても面白かったです!!続編も見たいので、もし宜しければ観覧パス教えていただけませんか? (2020年5月24日 9時) (レス) id: 6b72a2ad5a (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - すごく面白かったです! 私、天奏さんの作品大好きなんです! なんですけど、この小説の続編が見れないんですよね。 良ければ、観覧パスワード、教えていただけますか? よろしくお願いいたします。 (2020年5月12日 13時) (レス) id: 331ddf8f4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天奏 | 作成日時:2019年6月24日 21時

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