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天満月は雲に隠れる# ページ18

七鬼side






次の日で解散、という夜になった






俺は何となく夜の散歩に出てみたくなって、布団から抜け出した






ちなみに若武と小塚は熟睡






若武の足が小塚の腹に当たってて、めっちゃ痛そう






ふわっと一つ欠伸をして、若武んちのドアを開ける






ふと、霊感アンテナが作動






その霊感アンテナは、若武の庭の方へと続いている






興味があって、木のドアを押し開ける






聖域、みたいな感じがして、とても心地いい






俺がすぅはぁと、深呼吸していると誰かの呟き声が聞こえた






「忍・・・?」






「立花?何でここに居るんだ?」






霊感アンテナに作動したのは、どうやら立花の気配だったようだ






「なんか目が冴えちゃって。忍は?」






「俺?俺は気分」






「忍って、やっぱ天然だよね」






皆が皆天然って言うけど、どこが天然なのか、俺には分からん






でもさ、






「立花も充分天然だと思うけど」






上杉とか黒木とか、立花の事天然って言ってるし






「真の天然に言われたくない」






プクッと頰を膨らませる






クシュン、と立花がくしゃみをする






「寒いか?」






俺はちゃんと防寒着着て来たけど、立花はパジャマのまんま






少し寒そうに身震いしたので、俺は着ていたパーカーを立花にかける






「ありがと」






ふんわりと笑った後、立花はオリーブの木を見た






「このオリーブの木、私好きなんだ」






初めて若武の家に来た時に見つけたから






「明日で終わりかぁ・・・」






立花が淋しそうに呟いた






「泊まりは明日で終わりだけど、またいつでも会えるじゃん」






立花は、“さっきと同じ様に”、ふんわりと微笑んで






『そうだね』






と言った






「あ、忍見て見て」






立花が空を指差した






「おぉ、綺麗な満月」






空には、満月が光り輝いていた






「忍、知ってる?」






そう言って立花は、満月を見ながら教えてくれた






「満月の事、別名“あまみつつき”って言うんだよ」






指で空中に漢字を書く






「漢字はね、天に満月って書いて、“天満月”」






俺は感心、感心






「立花、よくそうどーでもいい事知ってるよな」






“どーでもいいは余計よ”、と立花に突っ込まれる






俺と立花は顔を見合わせ、同時に笑った






#






俺らが若武の家に入った後、天満月は






雲に隠れた

記憶の忘却#→←聖夜の夜に##



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けい - 更新頑張って! (12月3日 21時) (レス) @page25 id: df4e5119e7 (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - なーさん、あおいさん、candyさん、読んでくれてありがとうございます。続編の彼方の春星は、現在大幅に修正を入れています。近々全体に公開予定ですので、しばしお待ち下さい。 (2020年5月28日 21時) (レス) id: ef1cf094cc (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - かよさん» ありがとうございます! (2020年5月28日 20時) (レス) id: ef1cf094cc (このIDを非表示/違反報告)
candy - 天奏さん、とっても面白かったです!!続編も見たいので、もし宜しければ観覧パス教えていただけませんか? (2020年5月24日 9時) (レス) id: 6b72a2ad5a (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - すごく面白かったです! 私、天奏さんの作品大好きなんです! なんですけど、この小説の続編が見れないんですよね。 良ければ、観覧パスワード、教えていただけますか? よろしくお願いいたします。 (2020年5月12日 13時) (レス) id: 331ddf8f4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天奏 | 作成日時:2019年6月24日 21時

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