私の嘘を見抜いて

聖夜の夜に## ページ17

美門side






それからオーナメントとか、電飾のLEDライトとか






ミニツリーや、そこそこでかいクリスマスツリーなどを出して飾り付けた






その間、若武はずーっとブスッとしたまま






そんな若武の様子を、クスクスと笑いながら作業をしていたんだ






「・・・このくらいかな」






一番背の高い黒木がツリーの星飾りを付けたところで、一時休憩






「今日は一日中クリパしといて良くない？」






「あ、それ俺も思った」






「何ぃ？！」






俺と上杉の会話に割って入ったのは、もちろん若武






その若武に、上杉がジロッと睨みをきかす






「お前が考えてる事は、明日でも多分出来るんだろ」






図星中の図星なのか、若武が絶句






「クリスマス・イヴにどこ行くかって、大体決まってるよね」






「ん。俺でも予想付いた」






俺と小塚が話していると、遂に若武が噴火






「上杉、外に出ろ」






「おぉ、やんのか？」






若武と上杉が勢いよく立ち上がったその時






バンっ！と強く誰かがテーブルを叩いた






叩いた主は、誰もが予想し得なかったアーヤだった






「若武、上杉君、座って」






いつものアーヤじゃない声に、全員ピッタリと動きが停止






「座って。聞こえなかったの？」






突っ立っていた若武と上杉は、ヘタリ込むようにソファに座る






「今島崎さんに料理作ってもらってるの。静かにしといて」






アーヤがギロッと若武と上杉を睨む






その迫力は・・・






正直言って、黒木よりも凄かった






「「すいませんでした！」」






ほら、2人がこんなにすっごい勢いで謝ってるぐらいだし






アーヤの最強伝説、一個追加かも






島崎さんが料理を運んで来てくれる間は、俺達は談笑






若武と上杉を除いて






若武と上杉は、アーヤに怒られた事により完全に撃沈していた






島崎さんが作ってくれた料理はやっぱり美味しかった






アーヤも家だったらこんな料理はでないって言ってたし






クリパの定番は手作りのホールケーキ






でも、やっぱり最後の締めはKZのドーナツ






その日のアーヤは、始終ニコニコと笑っていた






#






俺は、その裏に隠された気持ちの変化に気付けなかった






君がどうして、そんなにも表情を作ることが出来たのか






聖夜の夜は、もうすぐそこまで迫っている






そして、それと同時に






別れが迫っている事も

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