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「…晃一の新しい女ってあんた?」
「えっ、と」








今日は今までの吉野晃一と変わって知らない女の先輩に目の前を塞がれている。
この人は名前も知らない。






「あんた最近晃一の周りうろちょろして。鬱陶しいんだけど」






それを言うなら吉野晃一に言って欲しい。どっちかって言うと吉野晃一が私の周りをうろちょろしてる気が……









『なんや今日は先客?』








今日も気だるそうに吉野晃一は現れた。







「あ…晃一、おはよう」
『お前、Aと知り合いやったん?』
「あ…うん」





なんて嘘つきな先輩…






『ふぅん。そ。ならええねんけど』






吉野晃一はそれだけ言うと今までポケットに突っ込んでいた手を出して私の右手を掴む









『俺のお気に入りに手出したら、俺が許さん』









捨て台詞がカッコいい。一瞬、ほんの一瞬惚れるかと思った。



そのまま私の腕を引いて保健室に連れていかれる。









「…あの、先輩。私教室に行きたいんですけど」
『どこも殴られてへん?大丈夫?絆創膏、いるか?』
「…先輩、それのために保健室まで?」
『殴られてへん?ほんまに?』







私も学園ドラマなら殴られるシーンだ!とは思ったけど。







「殴られる前に先輩が登場したので無事です」
『そっかぁ、良かったわ』









吉野晃一はまた独特な笑い声で笑う。







「私って先輩のお気に入りなんですか?」
『ばれてもうたなぁ』









どっちかって言うと今までバレてないと思っていたのかな





『でも、俺に気に入られたら大変やな』






吉野晃一は真顔で私の顔を真剣に見つめる。









『な、俺に名案があんねんけど』
「私から離れてくれる案ですか?」
『ちゃうちゃう。俺とAが付き合えば俺がAのこと守れるっていう案』







真剣な顔でサラッとそんなことを言わないで欲しい。思わず顔が火照る。








『顔真っ赤やで?嬉しいん?』
「いいえ、別に」
『素直やないなぁ』
「じゃあ私、教室に行くので」






引き止められるかと思ったら案外素直にドアを開ける





『ほんならまたお昼な』





やっぱりお昼は一緒なのか。適当に返事をして歩き出す。









『あ、A』





名前を呼ばれて振り向く









『今日から俺の彼女やから帰りも一緒なぁ!』
「…勝手すぎ」




思わず頬が上がっていたことは自分では気づかなかった。







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○○(プロフ) - あっちゃんさん» ありがとうございます。頑張らせていただきます! (2018年7月28日 22時) (レス) id: bc97300b24 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - 作者さんの小説大好きです!これからも応援してます! (2018年7月28日 20時) (レス) id: a151bbb754 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - ネオンガールさん» ありがとうございます!嬉しいです。頑張らせて頂きます! (2018年3月20日 9時) (レス) id: bc97300b24 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - たくちゃんのプロポーズのお話泣きそうになりました…。更新待ってます!頑張ってください:-) (2018年3月19日 22時) (レス) id: d6341b5934 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:.C | 作成日時:2017年12月23日 22時

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