恋して、2

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『＿＿＿＿なんかあったの？』

私の希望で居酒屋に入って少しすると唐突に質問される

「いえ、何も」

あなたが原因ですとか言える訳もない


『本当？今日のAなんか変』


お酒の入った草川さんはなんだか甘い


「そう、ですかね…」
『うん』


そのまま草川さんはちょびちょびとお酒を飲む


『…好きな人でもできた？』




その一言に思わず飲んでいた烏龍茶で喉を詰まらせるかと思った。

いや、できたっていうか出来てないっていうか、あなたっていうか…え？私、草川さんのこと好き？




明らかに挙動不審になる私に草川さんが少し首をかしげる









『俺も好きな子いるんだよね』






……自覚して3秒で失恋？世界最速の失恋じゃない？




「そうなんですか、」


上手く笑えてない気がする。



『同じバイトの子なんだけど』

まさかの同僚だっていう展開に頭が真っ白になる

『明るくて可愛くていつも俺のこと慕ってくれて凄い良い子なんだけどさ』




聞きたくないけどそんな事は言えずお酒のせいか恋のせいか、頬を少し紅くして話す草川さんを見つめる


『久しぶりに会ったら避けられてさ…』



草川さんを避けるなんて、なんて酷い人なんだ。



『なんか、好きな人出来たらしいんだよ…』
「そう、なんですか」


まさかの草川さんが失恋。神様って優しくないね。



『…でも、やっぱり好きなんだよね』




……私も、やっぱり草川さんが好きだって。自覚して3秒で失恋したけど。でも、好きだなって思っちゃう





『だから、1回思い切って告白しようかなって思うんだけどどう思う？』



どう思う……


「いいと思います…」


やっぱり告白して吹っ切れたほうがいいよね


『…うん。ありがと。告白してみる』






ふにゃっと笑った草川さんは最高に可愛くて格好良くて、最高に好きだなと思わされた。







「じゃあ」


店を出て別れようとして





『A、』




後ろから掴まれた右腕に振り向く








『…好き』
「え、？」
『俺じゃダメ？』





好きって言葉を何回も頭の中で繰り返して、



「ダメじゃ、ないですっ」
『え…マジで？』





草川さんはまたとろけるような笑顔で笑って私を抱きしめる



『大好き』





今、最高に幸せ。








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