_嫌ﾜﾚ_ 伸ばした手は､ _黒ﾊﾞｽ_

a twin ページ20

『……約束の印に何か､…ｯ』

そう呟くと征が耳を撫でてきた｡いきなりのことにびっくりし体が跳ねる
横目で征の方を見れば征はﾎﾞｸの耳をｼﾞｰっと見詰めていた

「……なら､ﾋﾟｱｽはどうだ？

俺が君にﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄするよ」

ﾋﾟｱｽ…か、せやからﾎﾞｸの耳を見とったんやな｡そう内心納得しながら承知の意味を込めて首を縦に降り頷く

『……ええよ。』

「決まりな｡」

ﾎﾞｸの言葉を聞くと微笑み頭を撫でられる

あ、言わなあかんなぁ

『なあ、征…我が儘言うてもええ？』

「……何だ？」

『征の俺をﾎﾞｸにくれへん？

変わりにﾎﾞｸをあげるわ』

無理を言ったやろか…

じゃっかん俯き気味にそう呟くと再び微笑まれ頷いてくれた

「ああ、構わないよ」

『ありがとな。』

感謝の言葉を告げれば気にしないでと再び頭を撫でられる

それとは対象的に急に真顔になられ体が強ばる。征も、気づいたん…？

「

ねぇ、……A」

『………何､や？』

「気づいてる？」

『…ｯ、おん』

やっぱ気づいとったんや、な。

『俺ら､』

「……兄弟、だよ」

顔は似てないし､髪だって目だって似てないけど 俺らは兄弟や。

病院なんてあんま行かひんし､

わからんかったけど

俺らが互いに引かれ合うのは兄弟やから。

『……せや、けど…

俺にとっては征が一番や、

昔も今も、これからも、 』

「……そんなのまだ、わからないよ

僕らはこの感情を恋と勘違いしたのかもしれないし、

高校に行って変わるかもしれないよ」

『……けど、

俺は、征が好きやから、

離さへんで、』

「……離さないよ

約束、しただろう？

死ぬときは一緒と」

『……おん、』



a twin
(双子:同じ母親から一度の出産で生まれた二人の子｡双生児｡
)

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