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食後、クソ谷兄弟のニヤケ顔を思い出して、久しぶりにヤクをキメた。今日買ったやつ。
なんかふわふわすんぞォ?
「A〜?」
「あら、ハル……明日私がドームから帰って報告するまでにドラッグ抜いてね」
「ん〜〜〜んんっ♡」
「……すみません、Aさん」
「大丈夫よ。明後日の取引までラリってたら、タクミ付き合ってくれる?」
「俺が行く!!!」
No.2の俺様が契約結ぶ事に意味があんだっつの!!!!!
上機嫌にそう叫んでからの記憶はない。
部下の声に目を覚ましたのは翌日の夕方。グロッキーでもない。
あれ、このヤク結構当たりなんじゃね?
「おい、Aは?」
「今ドームのホームレスたちに俺らを通す説得に行かれてます。ご飯置いて行ってくれてますよ」
本当は弾丸浴びた借りくらい返ししてやりてーが、取引の為なら仕方ない。
一先ずメシを食いながら、部下とココからの資料の再確認をする。
「Aに怪我一つでもさせたらテメーでもスクラップだかンなー」
「わかってます」
部下が力強く頷いたタイミングで、Aが帰宅した。
「ただいま、ハル調子どう?」
「問題ねー。そっちはどうだった」
「酒持って来いって言われたけど、OK。帰りもあるから途中まででも私は同行しなきゃだけど、首領さんからのディレクションは?」
「Aも取引に連れて行け、だとよ。ブツ受け取って終わりなんだが、お前交渉出来んなら有利に向けてくれや」
「わかった」
交渉どころか、言葉もわかんねーし。
だからこそ、ただ武器を受け取ってヘリに積んで帰るだけの予定だったんだがな。
怪我して、Aに会った事でまさかのデケー仕事になった。
言い方変えりゃ、巻き込んじまったんだけどよ。
後悔はしてねー。
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作者名:カーター千之助 | 作成日時:2024年3月1日 0時