無魔力少女と風を統べし少年

第４話 明世と東条 ページ7

明世サイド

目が覚めると、そこは、翡翠の飾りが目立ち、たくさんの本がある部屋だった。

？「あ、気がついた？」

明世「！！あの、ありがとう、ございます……何度も助けてくれて………」

？「いいんだ。俺がそうしたかったから」

そう言って、彼は微笑む

？「そういえば、自己紹介してなかったね。俺は東条秀明。君は？」

明世「武藤、明世………」

東条「明世か。いい名前だね。ねぇ、聞いてもいい？」

明世「何を………？」

東条「明世、無魔力だって、言ったね」

明世「！！そう、だよ……私は生まれつき、無魔力で、３歳から、ずっと独りで、全国の路地裏を、転々としていた」

東条「３歳から！？長い間、ずっと、独りで……寂しくはなかったの？」

明世「……最初は寂しかった。でも、もう寂しさも忘れた。」

東条「……嘘だね」

な、何を言って……！

明世「嘘なんて、ついてない！！」

東条「じゃあ、なんで、泣いているの？」

明世「！！！」(ﾎﾟﾛｯ)

あ、れ……おかしい、な………

東条「……ここには、俺と君しかいない。だから、ホントのこと、教えて」

私は東条くんの優しさに安心したのか……

明世「寂しかった………！苦しかった………！辛かった！！(泣)」

東条「そっか。でも、もう大丈夫。俺が明世を守るから」(ｷﾞｭｯ)

明世「うわぁぁぁぁぁぁぁっ！！(泣)」

私は今まで溜まっていた分、泣いた

東条くんの優しさに抱かれながら、ずっと、泣き続けた

その間、東条くんはずっと、私の頭を優しく撫でてくれた………

東条くんなら……信じてもいいと思った………

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