繋がれた約束【黒木場リョウ】

蘇る気持ち ページ12

講師「椎名、黒木場ペア。Aだ。」







リョウくんの料理…。







昔とは比べものにならないくらい
上手くなってた…。



成長があるのは当たり前のことだけど、
なんてゆうか、








料理自体が変わっていたような…。





新しい何かを見つけたような、そんな感じ。


一体どうして…？





シュル…



リョウくんがバンダナをほどく。



そして、普段の彼に戻った。


貴「Aとれたね…！」

リ「まあ、当然だけど。」



リョウくんは無愛想な返事をする。

貴「でもやっぱり、リョウくんはすごいね。
昔のリョウくんもすごかったけど、今は格段に成長してるし…。」

リ「そういうお前も上手くなったんじゃねえの？」


貴「そ、そうかな？」


リ「昔、初めて俺が料理を教えたとき、包丁も握れなかったやつとは思えないな。」

貴「あ、はは…。」

少し苦笑いをする。

でも、案外気まずくならなくて良かった…。


心の奥で、そう感じた。

リ「ま、それなだけに日本で料理の勉強するとか言い出したときは驚いたけど。」

貴「うん、あの時は、その…ね。」

リ「ん？」


リョウくんに見合うお嫁さんになりたいと
思ったから…。


でも、この時はなぜか言い出せなかった。


どうしても、伝えられなかった。

これが、私とリョウくんの物語を
揺るがすきっかけになるなんて、







思いもしなかった。

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