解かれる術 ページ38
「善逸、急に連れ去るなんて……」
「いや、もうこうするしかなかったよ!?またAちゃんどっかに連れてかれたらさあ!絶対嫌だし!もう二度と会えなくなっちゃうじゃん!手の打ちようもなくなるしさあ!」
「いや、そうだけど……驚いて……」
藤の家紋の家まで全力疾走すると、用意された部屋でようやく崩れ落ちた。
息を整えながらこの後どうしようなんて、考えていると、Aの様子が急変する。
「……さまっ……伯屍楼様!伯屍楼様ぁ!!」
「えっ、だだだ誰それ誰それ!?やだあいつの息子!?嘘でしょう!?俺がいるのに!?」
「やっぱり血鬼術だ!何とかして解かないと!」
今まで大人しかったのが一転して、まるで赤子のように泣き叫び出した。
「うわあああああん!!戻してぇえ!!あの方の所に帰してぇええ!!うえええん!!伯屍楼様ぁあああ!!」
「た、炭治郎ぉおおお!!どうしようどうしよう!?どうしたらいいの!?」
「Aには悪いけど、気絶させるしか……」
「嘘でしょ!?女の子に!?おまっ……その善人顔でそんな事言う!?」
「じゃあどうしたらいいんだ!?」
部屋から出ていこうとするAを二人で取り抑えながら口論していると、霧雲杉の箱がガチャリっと空いた。
「ね、禰豆子……!?」
幼子の姿の禰豆子がヨチヨチ近寄ると、Aに抱きついた。
途端に優しい炎が体を包む。
Aは徐々に大人しくなっていき、その目は光を取り戻していった。
「………え?あれ?……は?」
Aが困惑の声を漏らす。
状況を飲み込むのに時間を要しているらしい。
ほっとして二人はAを解放すると、ガバッと起き上がった。
「A!良かった!!術にかかっているのを禰豆子が解いたんだ!」
「禰豆子……」
Aは自分の膝の上に乗っている少女を見つめる。
無垢な笑顔で赤ん坊のような声を出す禰豆子を、愛おしいと思った。
「あなたが……禰豆子、ちゃん……」
そっと抱きしめると、ほっとした気持ちになって、至極自然と言葉がもれた。
「ありがとう……」
しかし、暫くそうやっているうちに、ようやく状況を理解したのか、顔が真っ青になっていく。
(や、やばい………私、めちゃくちゃ醜態さらしたよね……!?とんでもなく迷惑掛けたよね!?しかも…ぜぜぜぜぜ善逸に見られた!!!)
わなわなと震えだしたAに、炭治郎と善逸は再び不安の目を向けた。
(やだやだ!一体どんな顔したらいいの!?)
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maicoo(プロフ) - はなさん» ご指摘ありがとうございます!本当にすみません!誤字があると、フッとこう、現実に戻されますよね ; 気をつけなきゃ…(--;)こんな文章ですが、読んで下さってありがとうございます!更新頑張りますね!コメントありがとうー!! (2019年9月23日 3時) (レス) id: e4977cc5c7 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます!誤字なのですが、鬼血術ではなく、血鬼術だと思います...。これからも更新頑張ってください!応援しています!!! (2019年9月23日 1時) (レス) id: 0b253d056d (このIDを非表示/違反報告)
maicoo(プロフ) - カナリアさん» ですねw怒らせたら面倒な男上位に入ると私は思っていますwww続き楽しみにしていて下さい!コメントありがとうございます!!頑張ります! (2019年9月21日 14時) (レス) id: e4977cc5c7 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - 善逸お怒りですねぇwww続きすっごい気になる!更新楽しみにしてます! (2019年9月21日 11時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
maicoo(プロフ) - モブさん» コメントありがとうございますー!!!!何だろ、二人を地獄に突き落とすのが好きみたいでこんなことに……wwもう、努力してもらうしかないですねw自分が言うなって感じですがw本当にコメント嬉しいです!頑張りますね!これからもよろしくお願いします!!!! (2019年9月19日 0時) (レス) id: e4977cc5c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:maicoo | 作成日時:2019年9月12日 14時