【ヒロアカ】彼らは本当に付き合ってるのだろうか。

エリちゃんのりんご飴 2 ページ4

貴女side


貴「ちょっと…もう無理…ぎゃあああ！！」


迷惑だと分かってます

歩きづらいと分かってます



でもどうしても彼の腕から離れられない

怖すぎる





轟「…引き返すか？


まだ半分越えてねぇから戻れるぞ」



貴「嫌だりんご飴！！！！」


怖さで語彙力すら飛んでいくけど


エリちゃんが食べたがってるだろうから
ここで引き返すわけにはいかない



轟「…リンゴ持ってくれ」


貴「へ…？」


何もわからずリンゴを受けとる



すると体がふわっと浮かんだ


気がつけば轟くんに抱きかかえられてる




貴「や、重いから！！歩けるから！！」


轟「重くねぇし…暴れたらリンゴ落とすぞ？」


貴「うぅ…」


暗くてよく彼の顔が見えないけど
絶対笑ってる


彼の胸の中でリンゴをギュッと持つ



轟「…走るぞ、目瞑っとけ」





そう言ったかと思うと彼は走り出した


幽霊の声が目を瞑ってる間も聞こえてくる

彼はできるだけ私を揺らさないように
それでいてスピードを出して駆け抜けて行った



そして暫くして
いきなり視界が眩しくなる




『ゴールです！お疲れ様でしたー！』



轟「…もういいぞ」


目を開くと

軽く笑った轟くんの顔が目の前にあった
地面に下ろしてもらう


貴「怖かった……」


あれ、安心したのかポロポロ涙が出てきた



轟「リンゴちゃんと持ってるか？」


貴「うん…ある…」


轟「偉い、よく頑張った」



頭をくしゃっと軽く撫でてくれる轟くん




ランチラッシュにお願いして

厨房を少し使わせてもらう事にした




轟「…にしても、
よくこんな物の作り方知ってるな」


貴「あはは、

いちご飴いつも作ってたんだ」



・
・
・


結局エリちゃんにもう一度会えたのは

文化祭が終わりかけの時だった





りんご飴を渡すと


エリちゃんはまた笑顔になって


エリ「ふふ、りんごより…甘い、美味しい！


私ね…りんご飴食べられなくて
少し残念だったの


だから嬉しい！ありがとう、

Aさん、ショートさん」





あぁ、怖くて心臓が死ぬかと思ったけど

その笑顔で救われた



…って


そういえば轟くんにお姫様抱っこ…



時間差で顔が赤くなってくる





轟「どうした、熱か？顔赤いぞ」



貴「誰の…せいよ！」


少し強めに彼の頰をつねった

轟「いへぇ(いてぇ)」





天然って怖い

あんな事軽くしちゃうんだもん



ある意味心臓が死にそうだよ、いつも

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