冷酷非情の狼陛下 ページ1
ここは白陽国。
「冷酷非情の狼陛下」といわれる国王・珀 黎翔(はく れいしょう)の政務室である。
「その話は終わったはずだ。これ以上つまらぬ話を持ち出すなら、お前の胴と首が離れる事になるぞ。」
切れ長の瞳に鋭い眼光が走る。
ゾクッ…
こ、怖い…私が怒られてるんじゃないのに…
政務室の中にこれでもかと流れるピリピリとした空気。
そんな中に場違いだと理解しつつ、ただ座っているだけの私、汀 夕鈴(てい ゆうりん)は、
一応、狼陛下の妃(バイト)です。
「し、失礼致しました陛下…。」
「もういい。次だ。」
縁談の話を断る度に理由を聞かれることに困った陛下から雇われた「臨時花嫁」、それが私の仕事です。
父親にうまく騙され、高賃金で割のいい仕事があると誘われて思わずその話にのってしまったが最後
しかも備品を壊して借金まで背負うとは…トホホ…
あっ、いけない。
無意識に心の内が顔に出そうになった私は慌てて気を引き締めた。
今は狼陛下の妃。
もしうっかり秘密を漏らした時には…
ちらりと陛下の近くでキリリとした存在感を放つメガネ…あ、いや、陛下の側近である李順(りじゅん)さんに目を向けた。
『今回の件…うっかりでも口を滑らせたら、一族郎党地上から消えて頂きますので。』
一家まるごと葬り去られる!!!!((ヒエエェェェ
最初の挨拶の時に彼に言われた事を思い出し、私はバレないように身震いをした。
というわけで詐欺にあった挙句脅しにあった私は泣く泣く、陛下から寵愛を受ける妃として演技をしています。
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アゼイリャ(プロフ) - すいません。二次創作ですのでオリジナルフラグ外していただけないでしょうか?お願いします (2016年4月9日 6時) (レス) id: 1f7342c3b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ChiharU | 作成日時:2016年4月9日 3時