【d!】美味しいご飯の為ならば

22食目 ページ24

とか何とか言ってしまったせいで、どうやらばっちりフラグを立ててしまったようです。

「……おい、何でゾム様がここにいるんだ」
「知らねぇよ…！」

いつもより更にざわざわとする食堂内。
厨房も全員手を止めて彼が入ってきた窓をぽかんと眺めている。
唯一ナターシャだけが「顔見えないかしら」とフードの下を覗こうと腰をかがめている。

あ、暗殺部隊の人逃げた。
けどすぐ捕まった！

「ここか！お前らがいつも食べてるとこは！やっぱ広いなぁ！」

首根っこを掴まれた隊員…あれはリイドさんか、は白目を向いている。

「ゾ、ゾム様！幹部棟でのお食事はどうされたんですか？」
「あ？もう食ったで。けどなんかこう物足りなくてな。お前らが普段どんなもん食べてるか見に来たんよ。それにー、」

ふと、気がつくと厨房のカウンターの前にゾム様がいた。

「っ、」
「あんたがA？」

ゾム様の手が私に伸びる。
その瞬間腕をぐいっと引かれマルコの背に隠された。

「うちの料理人に何か御用ですか、ゾム隊長」
「…別に取って食ったりせんよ、マルコ」

ん？
ふたりの会話に何か引っかかった。

「ゾム様とマルコってお知り合いなの？」
「お前知らなかったのか。マルコは元々ゾム様のとこの隊員だぞ」
「え！？」
「足を怪我して前線に出られなくなったんだ。それで本人の希望で食堂勤務に変更したんだよ」

(…知らなかった！！)

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