【中島敦】愛しい君の過去へ【文スト】

仇〜いたい〜 ページ10

叩かれた頬はじわじわと腫れていくような気がした。

人生で母にも叩かれたことなどなかったことだから、あまりに驚いた。

キッ、と睨んでも、一つも表情を変えない。


園「…穀潰しを助けるのど、貴様は何を企んでいる！」

「そんなの！助けなきゃいけないでしょ！？」

園「穀潰しに助けなどしてはいけない」

「私は！！友達だから！あんたの助けなんて、反吐がでるね！！」




パン！！


今度は反対の頬を殴られる。

後から来る痛みが痛くてたまらない。


敦「っ……！っ…」


敦は私を見て声を押し殺し泣いている。


泣くのも、許されないのか。

園「…減らず口もいい加減にしたほうがよい」



「何が…！！ッッ」


パンッッ


右頬。



「こんなことしたって、無駄だから……！！」


園「…」


すると園長は見えない何かに合図したようだ。

私はグラグラする視界の中で、何者かに押さえつけられた気がした。



敦「ぁっ……！！」


「離せ……！！」

私の腕にチクっとした痛みが走る。









…痛い。


痛い。



「ぁぁぁああ！！！？？」


痛い！、いたい、いたい、いたい、いた、

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