【中島敦】愛しい君の過去へ【文スト】

参〜友達になってください〜 ページ4

…声を、かけるべきか。


そう考え、隠れることを止めてさっと扉を開く。


男の子はハッと顔をあげる。

涙が流れていて、さらに表情には恐怖が浮かびあがっていた。



…さて、なんて云えばいい。


何も考えずに入ってきてしまったが。




…男の子を見ると、表情には恐怖が浮かんでいて、今にも大声をあげて逃げていきそうである。





見つめられていて気恥ずかしくなり、つい

「…、泣かないでよ。」


とりあえず、率直に。

そんなことが口走った。




すると、「ごめ、んなさいっ、」と涙を流すのをを止めようと必死になっていた。


そういう心算じゃなかったんだけど…


とりあえず、また何か喋らなければ。


「…私の名前は、萩宮Aって言うんだ。」


？「…萩宮、A……」



「君の名前は？」




そう問えば、男の子は怯えながらも、質問に答えた。




敦「…中島、敦」

「敦くんか。ねぇ、どうして泣いてるの？」


敦と同じ目線になれば、敦は恐怖を目にうつしだした。

しかし、質問には答える。


敦「…ぼくは、弱虫だから、皆と、仲良く出来ないんだ。」


自分の言葉に泣きそうになるが、私の言葉を思い出してか唇を噛み堪えていた。




それを見て、なんだか、黙っていられなかった。

なんとかしたい。


それだけが内から溢れ出してきた。




だから、これは無意識だった。



「……じゃあ、」



私は、ゆっくりと手を伸ばして、敦の手を掴む。

敦はギョッ、と怖がるように体が跳ねた。





そんな彼に笑わず、ただ真剣な眼差しで口を開いた。









「_____私と、友達になってくれませんか。」


敦は目を見開いた。

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