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第十三章『消せない罪』【3】 ページ37

「このままだとリヒトも吸血鬼に狙われる可能性があるんだろう? それは困るしな」

 舞台の端に足を組んで座っていたリヒトに視線を向けていた瑠璃もクランツのほうに振り返ると、

「リヒトのピアノは全人類の宝だ! それを世界に広めることはオレの義務! オレ達にできることなら協力しよう!」

 クランツは自身の右手を握りしめながら、キラキラとした笑顔で高揚感を露わにしつつそう宣言したのだ。

「ぜ、全人類・・・」

「えと、すごい大規模ですね・・・・・・」

 呆然となった真昼とともに、瑠璃も目を瞠りつつ、クランツに相槌を打つ。

 一方、リヒト本人は―――――

「おいクランツ、何勝手なこと言ってやがる」

 俺は何もする気はねぇぞと、クランツを睨んでいたのだが。

 けれど、クランツは慣れているのだろう。不機嫌になったリヒトの態度を特に気にした様子もなく、はははと笑うと、

「あんなこと言ってるが説得しておくから」

「あ、ありがとうございます・・・!」

 真昼はクランツと握手を交わし合い。瑠璃は「よろしくお願いします」と会釈を行ったのだ。

 そうして話が一先ず纏まった処で、次にクランツが視線を向けたのは、すぐ近くで怯えた表情のまま、正座をしていたライラだった。

「さて。この子は・・・どうするんだい? 敵の下位吸血鬼(サブクラス)なんだろ?」

「そうだ! 俺達最近、椿の下位吸血鬼を捕まえようとしてて・・・」

 クランツの言葉に、真昼が此方側の事情を口にすると、びくっとライラは身体を震わせなら、ひ、と悲鳴を漏らし。

「ひいっ、すみません。殺さないで・・・」

「いやっ、殺さないけど・・・」

 ガタガタと震えながら両手で頭を抱えて、命乞いを始めてしまったライラの姿に、えっと・・・どうしよう―――――と当惑の表情を真昼は浮かべながら瑠璃に振り返る。

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マユ(プロフ) - 楓さん» 前作に続き、今作にもコメント下さいまして有難う御座います。ロウレスが夢主にオフィーリアの姿を重ねる話は他の方も結構書かれていたりする為。お約束は出来ませんが・・・・。今作も頑張って書き進めていくつもりですのでお付き合い頂けましたら幸いです! (2020年2月15日 18時) (レス) id: aafe96c388 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 今回のもとても面白かったです!出来ればなのですが、夢主さんをオフィーリアと似ているって思うロウレスって出来ますか?この小説とても面白いので、頑張って下さい! (2020年2月15日 10時) (レス) id: ccd9ca707d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2020年2月15日 1時

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