義兄なんて断固拒否【ブルーロック】

迷子 ページ23

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試合当日、私は目の前のスタジアムの規模に感動していた。






『ここがアリアンツ・アレーナ……おっきい…』




「天下のバスタード・ミュンヘンのホームスタジアムだからな……試合前に挨拶に行こう」







関係者パスを見せ控え室を目指して歩く。体育大学の教授をしていた経験もある先生は顔が広く道行く人たちに挨拶されている。



ドイツに限らず、海外の人というのは日本よりも挨拶がサッパリしているがハグやら握手やらの行動(アクション)が多い。





そんなことをしているうちに先生を見失ってしまった。


元々そんなに広い道でもなかったため、人がごった返している時にはぐれたのだろう。



端の方まで来てしまったのだろうか。チラホラ見かけるだけで人が少なく不安を駆り立てられる。








『とりあえず電話…？けど室内で電話は良くないし先にメールを…』








ことごとくツイてないな…と半べそをかいていると頭上から声をかけられた。










「Guten Tag(こんにちは)お嬢さん、こんなところで何をしている？」








振り向くとそこには天使がいた。




青薔薇と茨を纏った腕に絹のような髪。

美しい顔を彩るかの如く、鍛え抜かれた体。





それが、ミヒャエル・カイザーとの最初の出会いだった。

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