君には逆らえない。

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龍斗「は〜Aほんと面白い」

A「なんも面白くない！！」








私の顔見て、吹き出すみたいに笑うお兄ちゃん。


もう、失礼しちゃう！







龍斗「Aの困った顔見るのめっちゃ好きなんだよね」






にこって、憎めない笑顔を浮かべる。


……ていうか、どっかで聞いたことのあるセリフ！






A「あなたまでそれを言いますかっ」







龍斗「そういえば、優斗とはどうなの？」

A「まっまた優斗くん……」






みんな、今日は優斗くん優斗くんうるさいなあ。


もう今かなり私の中でパワーワードなんだから、

優斗くんって聞いただけで緊張しちゃう。




……まあでも、お兄ちゃんが気になるのも無理ないよね。


帰った時私になにかあったって見破って

私が下手くそな交わし方をした挙句、


お夕飯で "優斗くん" ってワードで吹き出すんだもん。







龍斗「なんかあったんでしょ？」





…………もう、この人には嘘はつけないみたいだ。



仕方なく、私は今日起きた事を全て

お兄ちゃんに打ち明ける事にした。






…………なーんて、訳にはいかず。

だって、キスされたなんて(しかも濃厚なやつ)


言えるわけないじゃん、絶対言えないよ。







A「何もないよ、ほんとに何もない！
いつも通り仲良くしてた！」

龍斗「そ？ならよかった。なんかあったら
俺になんでも相談してね」

A「ありがとうお兄ちゃん」







昔から、お兄ちゃんの優しいところは大好きだ。








龍斗「…Aそういえばさ、１個気になる事あるんだけど」


A「っな、なに？」






さっきの笑顔とは一変、

急に真剣な表情を浮かべるお兄ちゃん。


思わず私も真剣な顔になって、彼の言葉を待つ。




…私は彼の次の言葉にとてつもなく動揺してしまったのだ。









龍斗「瑞稀くんとは、どうなったの？」




___ ドクン。






A「瑞稀……？」





ドクンドクン と、私の心臓が大きな音で

早くなってるのが分かる。



井上、瑞稀…………。





今をときめく人気アイドルHiHi美少年のメンバー。



人気者の彼には私みたいな凡人は、もう、きっと

用無しなのだ。









A「瑞稀の事は、もう忘れようと思うの」









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＿＿＿＿＿＿ 私は彼が大好きだった。

彼は、私の初恋の相手だ。

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