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エレベーターホールを抜けた先には私服姿の先生が待っていて。調査とか、瑠衣子先輩と高槻先生と健ちゃんさんとでお出かけしたりするときに私服は何度かお見かけしてるけれど、やっぱりかっこいい。
「おはようございます、高槻先生。今日もかっこいいですね」
「あはは、ありがとう。柊さんも似合ってるよ」
じゃあ行こうか、とすんなり繋がれた右手。直接触れているから先生の未来が見えるのだけれど、そんなことより驚きの方が勝る。なんなんだ昨日から…、怒涛の供給に耐えられない。高槻先生のファンサが供給過多すぎる。
「先生、手なんか繋いで大丈夫なんですか」
「え?だって今日は『デート』なんでしょ?僕も今日は先生じゃないし、柊さんも今日は僕の生徒じゃないよ、普通のデートだからね」
「じゃあ今日は高槻さんって呼んだ方がいいですか?」
「彰良さんって呼んでよ、僕も柊さんじゃなくてAさんって呼ぶから」
「う…なるべく善処します」
高槻先生とか先生以外で呼んだことがないのでなんだか少し緊張する。瑠衣子先輩は先生のゼミの一期生だし、先生との付き合いも長いから彰良先生って呼んでても違和感のいの字もないんだけど。
「ほんとに大丈夫なんですか、こんなことして」
「ほんとに大丈夫じゃなかったらそもそもデートなんか承諾しないよ。僕が行きたかったからっていう理由じゃダメ?」
「ダメじゃないです、…先生近い」
「もー、先生じゃなくて彰良さんでしょ〜!」
さっき以上にぎゅっと手を繋ぐ力が強くなる。いきなり近距離で顔を覗き込まれたりなんかしたら完全ギブアップだ、そもそも顔が良すぎるのに。今も心臓ぶち壊れるんじゃないかってくらいどきどきしてるし、あとすごく申し訳ないんだけど手汗が心配。
それでもやっぱり先生、じゃなくて彰良さんを好きな気持ちが勝ってしまって、なんだかんだ満更でもない私がいるのも事実なわけで。
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ちくわ。(プロフ) - かふぇもかさん» コメントありがとうございます!不定期更新なのでお話をコンスタントにお届けすることが難しいのですが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします! (2021年8月24日 20時) (レス) id: eb81f6bdc7 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - こんにちは^ - ^いつも楽しく読ませていただいてます!(?)このお話毎日読み返してニヤニヤしてます(( (2021年8月22日 18時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちくわ。 | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2021年8月9日 0時