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「深町くん！ねぇ返事して深町くん」
体の芯がぎゅっと何かに掴まれたような感覚。両親を亡くした時のような冷や汗が背中をつうっと伝わるのがわかる。
瞳孔はちゃんと縮んだし、脈も息もあるから、深町くんはちゃんと生きている。…良かった。さっきまで元気だったのに、いきなり倒れられるとこんなにも怖い。
「僕が運ぶよ、柊さんも着いてきてくれる？」
「えっと…、はい」
思わず返事をしてしまったけれど、これ自分のメンタル抉るだけでは。この際そんなこと言ってられないのでとりあえず先生の研究室に向かう。
「よいしょ、っと…。急に倒れちゃうなんて、柊さんのとき思い出してひやひやしちゃった」
「私もおんぶして運んだんですか」
そうだけど？とさらりと答えた高槻先生。私も深町くんみたいにおんぶして運ばれたのか…。
あんな真昼間に倒れて、学内をあの有名な高槻先生におぶられて移動してたのをたくさんの学生に見られていたわけ？もはやそれって間接的な死では。
「よかった、やっとこっち見た。…もう僕嫌われたかと思った」
「そんなことあるわけないじゃないですか！」
「だって、柊さん今日のデートすっぽかしちゃうから…。僕からかわれてるのかと思って」
ん…？今日のデート、すっぽかした？待って待って、さっきから嫌われたとか、からかわれてるとか、高槻先生の言ってることが全く分からない。しゅんってした顔の高槻先生も好き…。
「昨日依頼入っちゃったし、先生も興味津々だったから、てっきり今日のも流れると思ってたんですけど…」
「そんなことする訳ないでしょ、依頼ももちろん大切だけど、せっかく柊さんが誘ってくれたんだもん、行くに決まってる」
てことは、私が一方的に勘違いして拗ねて、先生にも何も言わずにただただデートをすっぽかしただけってこと？文面だけで見てもクソ野郎すぎない？
「ごめんなさい、高槻先生。私の一方的な勘違いで…今日は一世一代の出来事だと思ってたのでものすごく一人で落ち込んで、先生ともなるべく会わないようにしてました、ほんとにごめんなさい」
「あはは、一世一代ってそんな大袈裟な…。僕はいつでも付き合うよ？デート」
けらけらと笑った高槻先生。うぅ、穴があったら入りたいし、仮にも高槻先生を傷つけてしまった罪悪感がものすごい。本当にごめんなさい。
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ちくわ。(プロフ) - かふぇもかさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでお話をコンスタントにお届けすることが難しいのですが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします！ (2021年8月24日 20時) (
レス) id: eb81f6bdc7 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - こんにちは^ - ^いつも楽しく読ませていただいてます！(?)このお話毎日読み返してニヤニヤしてます(( (2021年8月22日 18時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ。 | 作者ホームページ：https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時：2021年8月9日 0時
