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思いの外化学の授業が長くなってしまった。これでもかなり不器用なほうなので目的の物質を生成できなくてもう1回、なんてことを3回くらい繰り返していたら案の定長引いた。
お陰でお昼も食べ損ねてしまったので、学外のコンビニでゼリー飲料を買って走りながら戻ってくる始末。高槻先生の授業でお腹鳴っちゃったらどうしよう。しかも新年度だから1年生もいる中でお腹なっちゃうのは恥でしかない。
時間が無いので飲みながら学内へ足を踏み入れる。新年度だからか、入口付近はサークル勧誘に必死な学生と新入生でごった返していて。私だってことばれませんように、と必死に目をつぶって端に寄って移動していたつもりだったのだけれど。
「先輩ってあの占いの…？」
「え！例の？私の事も占ってください！」
じゃあ俺も！と人だかりが出来てしまった。うぅ…バレないようにしてたのに。ゼリー飲料を一気に吸い込んで、打開策を練る。
「じゃあ1人！1人だけ占います！我こそは〜って人！」
はいはいはい！と大声で叫ばれる。うるさい。こんな数相手してぶっ倒れたらほんとに授業間に合わないので適当な学生1人捕まえて済ませちゃいたいな、という私の愚策だ。
うーん、どの子がいいんだろう。キラキラ学生捕まえたら余計なこと聞き出しちゃいそうでめんどくさい。
ふと視界の端に過ぎった地味メガネくん。イヤホンしてるし、私のコレにも興味無さそうだし都合いい。彼にしよう。
「そしたら、眼鏡してイヤホンしてるパーカーのきみ！君に決めました！」
怪訝そうにこちらを見つめたメガネくん。え？とザワつく人混みを避けて、彼の元へと向かう。
「いきなりごめん、人助けだと思ってちょっと付き合って」
「え…あ、はい」
そっと彼の手をとれば、口裂け女の絵と思わしきものが脳裏に流れ込む。どうやらメガネくん…深町くんも同じ受講者。新入生で、失礼だけど友達はいない様子。ただ、高槻先生とコックリさんしてたり、小学校にいたりしてたのはよくわかんなかったけど。
「この後民俗学だよね？よかったら一緒に行かない？えーと、深町尚哉くん？であってるかな」
「なんで知って…、どこかでお会いしましたっけ？」
不思議そうにこちらを見つめる深町くん。まって、メガネで隠されてるけど実は隠れイケメンなのでは。
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ちくわ。(プロフ) - かふぇもかさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでお話をコンスタントにお届けすることが難しいのですが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします！ (2021年8月24日 20時) (
レス) id: eb81f6bdc7 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - こんにちは^ - ^いつも楽しく読ませていただいてます！(?)このお話毎日読み返してニヤニヤしてます(( (2021年8月22日 18時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ。 | 作者ホームページ：https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時：2021年8月9日 0時
