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「急にごめんね、びっくりしたよね」
「いえ、別に」
初対面の見知らぬ女に手を握られて、受ける講義も割れてて、しかも名前まで知られてる状況ってかなり怖いシチュエーションじゃない？私もしかして危ない人認定されてる？
「えっと、私は柊A。理系学部の2年生です。さっきの事で誤解されてるかもしれないんだけど、一応やばい人ではないから仲良くしてくれると嬉しい、かな」
普通の友達いないからさ、と小さく呟く。どうやら深町くんの耳に届いたらしく、目をまん丸にして驚いていた。あ、もしかして疑われてる？
「冗談じゃないよ、ほんとだよ。私、友達いないの」
「ふっ、そんなに言わなくても信じますよ」
必死に弁明する私を鼻で笑った深町くん。バカにされてないか。まぁいいや。201号教室のドアに手をかけると、目の前にはたくさんの受講者。
高槻先生の評判もあってか、女の子が多い多い。ライバルは少ないに越したことないけど、新年度早々不安かも。自然と小さなため息が出る。
「あっ、あれ？英語も一緒のクラスだよね？え〜あ〜…原沢じゃなくて…えっとね…ひ…樋口だ、樋口。じゃないか」
「深町。は行しか合ってない」
しぶしぶ応答してる深町くん。どうやら深町くんのお友達…？いや深町くん、失礼だけど友達いないよな。The大学生！と言わんばかりの陽の雰囲気に圧倒される。
「深町だ、ごめん。じゃな。…ってもしかして、あの例の占いの!?」
「はい。柊です。今は時間外だからまたいつか」
ひゃ〜、人気者じゃん、と深町くんを軽く小突いた男の子。新入生にまで知れ渡ってるのか。やだな。自然と出てしまう本日二度目のため息。講義の準備しないとな、とふと視線を動かした先には、顔を顰める深町くん。
「深町くん？深町くん！大丈夫？」
先程までとは打って変わって、明らかにしんどそう。少し心配なので肩を借りさせてもらって、入口近くの席まで移動。祭囃子の音に驚いたのかはわからないけれど、スクリーンを凝視する深町くん。
「『民俗学�供戮悗茲Δ海宗�この授業を担当する、准教授の高槻彰良です」
ハッとするくらい、透き通った、真っ直ぐな声。階段からゆったりと降りているのを見ると、まるで本物のアイドルみたい。高槻先生は今日も今日とてかっこよくて、どう考えても好きにならざるを得ないと思う。
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ちくわ。(プロフ) - かふぇもかさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでお話をコンスタントにお届けすることが難しいのですが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします！ (2021年8月24日 20時) (
レス) id: eb81f6bdc7 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - こんにちは^ - ^いつも楽しく読ませていただいてます！(?)このお話毎日読み返してニヤニヤしてます(( (2021年8月22日 18時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ。 | 作者ホームページ：https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時：2021年8月9日 0時
