隠してるつもりなのにバレバレのことってよくある ページ27
あの後万事屋に戻ったら、神楽ちゃんに潰されてしまうのではないかというくらいの強さで抱きつかれた。
「A姐…!もういなくなっちゃうかと思ったヨ、戻って来てくれて良かったアル」
ぽたぽたと神楽ちゃんの涙で肩にシミができる。軽く頭を撫でると、子供のように泣いてしまった神楽ちゃん。
私自身だけでなんとかしようと思っていた癖に、こんな華奢な身体に沢山のものを背負わせてしまったのだな、と胸が苦しくなった。
「私はもういなくならないよ、大丈夫。ずっとここにいるからね」
「…ってことは、銀ちゃんよかったアルな!A姐とずーっと一緒だヨ!」
ずびび、と新八くんの袖で鼻をかんで、後ろの銀さんに手を振る神楽ちゃん。ぐちゃぐちゃだけど、神楽ちゃんの喜びが伝わってくる。当の本人といえば、余計なお世話だよって。素直じゃないなぁ。
「いや、どこで鼻水かんでるの神楽ちゃん!?とりあえずみんなどこかしら怪我してるんですから手当てですよ、ほら早く」
仕方ないアルな、と部屋に入った神楽ちゃん。新八くんほんと主夫だね。偉いなぁ、と頰が緩む。
「ほんと良かった、無事で」
二人がその場からいなくなったからか、ふわりと後ろから抱きつかれる。鼻をかすめる優しい匂いとほのかに香る血の匂い。
「みんなが守ってくれたから、ですよ。私自身じゃ何も…、何にも出来なかった。神楽ちゃんに沢山のものを背負わせてしまった。みんなを戦いに巻き込んでしまった。結局、元凶は私なんです」
事実を言葉で紡いでいるはずなのに、涙がとまらない。まるで堰を切ったかのように。
「誰も悪くなんかねぇよ。背負い込み過ぎだって前にも言ったろ?…でもまぁ、何も言わなかったのはダメ」
そう言って、そっとキスを落とした銀さん。状況が全く理解できなくて口をパクパクしていると。
「なに金魚みたいなことしてんの?可愛いけど。なんかあったら言うって約束しただろ?え…、もしかして忘れちゃった?」
「そんなことないですよ、心配しなくても全部覚えてます」
忘れたくても忘れられないでしょう、あんな…約束なんて名目でちゅーなんかされたら。実際伝えたらにやにやして喜ぶだろうから言わないでおくけれど。
「ふーん、
言わないでおこうと思ったけれど、顔に出ていたのか、それとも察しがいいのか。結局にやにやして喜んで。年の功なのか、全部お見通しなのが恥ずかしくて。逃げるように居間へと向かった。
プラトニックって音の響きがなんか良さげ→←毎日あなたの味噌汁が食べたいとか言うけどたまにはスープも必要
245人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴ! | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2018年9月4日 0時