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世の中は理不尽ばかりだけど割と楽しい ページ20

「A姐、ほんとに銀ちゃんとなんもなかったアルか?さっき、銀ちゃんのバカって言ってたから…」


言いたくなければ言わなくて大丈夫だからネ、と添えた神楽ちゃん。聞こえてたのか、あれ。


「実は、銀さんにその…、俗に言うキスとやらをされた訳でして」
「あの銀ちゃんが?ちゅー!?あんなプータローでもできるアルか」


大きな声で叫ぶ神楽ちゃん。さっきのことを思い出して顔に熱が集中する。世の中って不思議アルな、と哲学みたいなことを言い出しはじめちゃったし。


「でもまぁ、銀さんにとってはどうってことないみたいだから別にいいんだけど…」
「銀ちゃんが自分からちゅーするなんてよっぽどのことだから何か理由があるはずヨ」


そうかな…、神楽ちゃんが言うなら正しいんだろうけど。心の底からすっきりできないのもまた事実。


やっぱり本人に聞いてみるべきなのかも。はたしてどうするべきかと悶々と考えていればいつの間にか着いていたらしく。


「A姐、A姐?着いたヨ?…今日のA姐はちょっぴ心配ネ、お仕事終わるまで私待つアル」
「大丈夫だよ、今日は早上がりだし」


そう言えばぷくっと頬を膨らませた。えっなにかわいい。


「たとえA姐が大丈夫でも私が許さないネ、A姐が大切だから…、だから私はなんて言われようとここで待つアル」


定春くんまでわふっ、とまるで神楽ちゃんに賛同するかのように吠える


こんなに神楽ちゃんに大切に思われてるなんて…考えもしなかった。勿論、私だって神楽ちゃんのことを大切だとは思っているけれど、ここまで思われているのは予想外。


「じゃあお言葉に甘えて…待っててもらっていいかな?」
「ほんとアルか!ばっちこいヨ!!」


ふふん、と満足そうな神楽ちゃん。…神楽ちゃんに悪影響を与えなさそうな部屋あったかな。

人生には知らなくていいこともある→←墓穴を掘っても堂々としてればバレない



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作者名:ぴ! | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream  
作成日時:2018年9月4日 0時

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