めんくい×うさぎ ページ7
早く帰ろうと思っていたのに朝帰りになってしまった。誰にもバレませんように。
あっちの服が動きにくそうだけどかわいくて買い物が捗ったのと、高天原というホストクラブとやらで浴びるようにお酒を飲んできた。
お金を払ってイケメンと軽食やお酒を嗜めるお店なんだけど、ご飯ばくばく食べすぎてちょっと引かれちゃった。まあでもこんなに可愛い女の子が爆食っていうギャップ萌え的な感じで加点されないかな。
でも、坂田さんと沖田さんと、あと沖田さんとこのかっこいい系のお兄さんも負けず劣らずのビジュアルだったなあ。余生過ごすなら地球選ぶかも。
そんなわけで深夜遅くまで飲んで、春雨の船も捕まらないしで渋々ターミナルから旅行客装って帰ってきて、今だ。
「疲れた…」
「随分お楽しみだったみたいだね。地球は楽しかったかい?」
「げ、神威」
荷下ろしを一通り終えて誰にも聞かれてないだろうっていうくらいの声量で独り言を呟いたつもりだったのに。一番見つかってほしくない相手に拾われた。神威がこんな時間に目が覚めているなんて珍しい。
「団長サマは珍しく早起きなんですね」
「そうだね、手に負えない部下のせいで」
「手に負えないって、私わざわざ外出て遠方行って戦ってボロボロで帰って来てるんですけど」
「あっそう。それで連絡の一つも返せないわけ?」
それは、と言葉に詰まる。咄嗟に確認すると履歴がびっちり神威の名前で埋まっていた。えぇ…、ごめんて。
あんなゴタゴタした中で逃げるように出てったからてっきり連絡なんか来てるなんて思ってなくて。
「ごめん、…いやちょっと待ってあんたクマやばいよ」
「誰のせいだと思ってんの」
「まさかずっと私のこと待ってた?」
「なに、そのまさかだけど。悪い?」
普段の私なら売り言葉に買い言葉で応戦してたはずなのに、言葉が出てこない。
まさかあの神威が自分の睡眠時間削ってまで私のこと待ってるなんて思わなくて。目の前のアホ毛さえも可愛く見えてくる。これが深夜テンション?
「ちょっと、黙るのやめて」
「神威も意外と可愛いんだなあって、へへ」
笑い方が気持ち悪いからとデコピンを一つお見舞いされた。なんでよ。
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作者名:ぴ! | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2018年4月2日 11時