めんくい×うさぎ。 ページ2
「暑すぎる、Aがなんとかしてよ」
「誰のせいだと…」
猫か?と思うくらい液体のように溶けつつある。アホ毛だけが自我を持った謎の生命体と化している神威。
「団長が癇癪起こして壊さなければね、こんなことにはなってないんですよ」
「仕方ないだろ、暑いし」
ウチのはお世辞にも綺麗な設備とは言い難い。暑さのせいでイライラしてたのか、ただでさえ基数の少ないオンボロエアコンに八つ当たりした挙句がこれだ。
お陰様で体感温度が5℃くらい上昇したし、この転がった残骸の掃除を押し付けられて怒りでどうにかなってしまいそう。
「少しくらい手伝っていただけるとひじょ〜〜に助かるんですけどね」
「第七師団の補佐はAでしょ、上司の不始末は部下が片付けるものだからね」
さわやかに(?)屈託のない笑顔を向けて。春雨に労基設けてくれないかな?切実に。
BPM150くらいで舌打ちを続けながら、ぶつけようのないイライラをその辺の壁に蹴りとして消化。ガンガン蹴りすぎて形が変わりきつつあるけど、部下の不始末だって上司が処理するもんだからね。おあいこでしょ。
「嬢ちゃん、痛いほど気持ちはわかるが…、物を壊さないでくれ頼むから」
「あぶとぉ…だって神威がいじめてくるんだもん」
船体を気遣ってか、私を宥めに来た阿伏兎。春雨の良心でイケオジ。どこかの上司サマとは違って。
怒りは何処へやら、ぐりぐりと頭を押し付けてそのまま体を預ける。夏場でクソ暑くて汗かいてるけど、私が可愛いからなーんも問題ない。
「嬢ちゃん、近い」
「近くない。慰めて」
「はいはい…、ったく、団長もあんまり苛めてやるなよ」
苦笑いされつつ、やんわり振られ、ベリベリと引き剥がされた。不服である。
「見苦しいもの見せつけないでよ」
「見苦しいって、いつものことでしょ」
「不快だって言ってんの」
なんでこんなご機嫌斜めなの?私が阿伏兎にダル絡みしてるのは日常茶飯事なはずなのに。どちらにせよ機嫌が悪いなら逃げた方がいい。まだ死にたくないもん。
「じゃあ、私は地球行ってエアコン買ってくるから!あとよろしくね!」
「ちょ、嬢ちゃん⁉︎」
ちょうど春雨の貨物船も来ていたのでそちらに逃げこむ。ごめん阿伏兎、後処理頼むね。
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作者名:ぴ! | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2018年4月2日 11時