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アベルside


マスターに、聞きたい事があった。でも、怖くて聞く事を躊躇った。

今「だいじょうぶです。」

…大丈夫。

「マスター…。如何して貴方は、僕を呼んだのですか…?」

冷「…長い話になる。お茶でも煎れて話そう。」
__________________________________________
冷side

「…最初は、唯の興味だった。自分の力で何が出来るのか…単純に試してみたくなったんだ。有り得ない事が出来ると解って、様々な事をした。カケラ(世界)カケラ(世界)を組み合わせる事が出来ると解ってから、色々な世界を創った。」

既に有るカケラ(世界)のifを創った事も有った。

「…其処でふと思ったんだ。人間の作る物語を組み合わせるとどんな事が起きるのだろう、とね。」

そして生まれたのが彼の居た世界(物語)だった。

「僕はカケラに入る(物語の登場人物になる)事が出来る。ならば逆は?…そう思って少し実験をしたんだ。結果は成功。君は僕の家具(従者)になった。」

僕がそう言うとアベルは青ざめて言った。

ア「僕じゃなくても…誰でも、良かったんですね…。」

「…そうだな。そう思っていた。だが…僕が呼んだ時点でお前は僕の家具だ。今更捨てる訳が無いだろう。久作もそう答える。可愛い弟子を彼奴が手放す訳が無い。」

アベルは少し驚いた様に顔を上げた。

「僕にとってもお前は可愛い部下だ。…安心しろ。退社届けを出してもその場で破り捨ててやる。」

僕がニヤッと嗤うとアベルは安心した様に微笑んだ。

今「よかったですね!アベル!!」

ア「…うん。有り難う。」

何だ、もう友達を作ったのか。

「今剣、アベルを頼む。此奴、色々抱え込むから時々吐き出させてやって。」

今「おまかせください!!」

一人称が僕になっている時は精神的に弱っている時。此の場に同席を許したという事は、少なくとも警戒はしていないのだろう。

今後、今剣に懐いたアベルが短刀達と良く遊ぶようになり此処の全刀剣からリーダーと認められ、保護者と言う名のモンペを増やすのだが其れは未だ先の事である。

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作者名:マツリ | 作成日時:2019年3月24日 23時

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