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冷side



「…馬鹿らしい。」

其の話を聞いた僕の感想は此れだった。

「殺される覚悟も無い奴を戦争に投じるから此の様な事が起こるんだ。然も其の尻拭いを何の関係も無い僕にさせる。本当なら政府が責任取って此の本丸とやらを立て直すべきでは無いのか?」

こ「仰る通りでございます。」

…此の狐は賢そうなのに。

「で、何時迄隠れている心算だ?殺気が鬱陶しいのだけれど。」

僕がそう言うと子供が3人、林の中から出て来た。

「…人が神を使役するとは…未来の人間は随分と傲慢になったな。…否、其れは今更か。」

?「貴方は、人間が嫌いなの?」

青い髪の男の子が聞いてきた。

「如何だろうな。…昔は酷く憎らしかったが、今は解らない。」

沢山の人間に出会った。優しい人が沢山居た。憎い人が沢山居た。…でも、僕にとっての優しい人が他の人にとって憎い人だった事があった。僕にとって憎い人が、他の人にとって優しい人だった事もあった。

「己の感情だけで人を判断する者は愚かだと、彼の人は言った。其の通りだ。感情の侭に行動し、命を落とした者を僕は沢山知っている。…僕は、彼の人を止められなかった。」

彼の時、先生を止めていれは…

「否、僕が止めても、彼の人は行ってしまっただろう。彼の人は、そういうお方だ。」

彼の人程殺しが似合わない人は居なかった。裏の世界で自分の信念を貫ける人は多くない。其れが殺しに関する事なら尚の事。だが、彼の人は…。

「本当に、凄い人だ。」

だからこそ、首領を憎まずにはいられない。…如何して、織田作先生じゃ無いといけなかったのか。僕でもよかった筈だ。久作でも大丈夫だった筈だ。僕達なら、彼奴を、彼奴等を速やかに抹殺出来た。なのに何故…。

?「アンタ、其奴とどんな関係だったんだ?」

「師匠と弟子だ。裏で如何すれば生きられるかを教えてもらった。銃器の扱い方、火の起こし方、料理の作り方、寝床の見つけ方、襲われた時の対処、仕事の貰い方…。幸い僕達は人を殺す事に躊躇が無かったから、仕事は直ぐに遂行出来た。…まぁ、仕事が入らなくて其処等の奴等を軍警に引き渡したり、アジトを襲って食べ物を強奪したりする事も一度や二度ではなかったけれど。」

僕が話していると子供達の顔が青ざめてきたのだけれど、え?何故だ解せぬ。

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作者名:マツリ | 作成日時:2019年3月24日 23時

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