私も無個性なのに。【ヒロアカ】

にじゅうはち ページ29

出久は呆然とした顔で動かなくなった。

オールマイトは唇を噛み締めている。

私たちだけが、

笑っていた。

そんな中オールマイトが、喋り出した。


「、、、(名前)少女。君が辛い思いをして、悩んで、考え抜いて出した答えなのだとすれば。

やはり私は、君を止めなければならない。


ヒーローとして、オールマイトとして！！！


“君を救わねば”ならない！！！！！」


オールマイトが走り出し、


「CAROLINA・・・SMASH！！！」


脳無に攻撃をする。


「救う？？？今さらだな、オールマイト。さっきまで殴ってたくせによく言うよ。」


弔が笑いながら言う。

そうだ、今更だ。

だってオールマイトは私を見捨てた。

私じゃなくて出久を見た。

個性も私じゃなくて出久にあげた。

それが私を追い詰めたんだ。

さっきだって殴られた。

頰は痛むし、

助けてくれなかったオールマイトへの怒りもある。


でも私の心は

オールマイトの“救う”と言う言葉で


揺れていた。


言ってくれた時の声が、

顔が、

目が。

私の心を離さない。



〔“邪魔”だ！！！！〕


今まで封じ込めていた、さっきの弔の声と、

不安が蘇ってくる。

捨てられるんじゃないか。

母のように必要とされなくなるんじゃないか。



今度は、


助けてくれるんじゃないか。



私が考えている間にも、脳無とオールマイトの戦いは進んでいく。

オールマイトが脳無にバックドロップを決め、黒霧が脳無をワープさせてオールマイトを追い込む。



そう、追い込んだ。

私は喜ぶべきなのに。

私はヴィランになったのに、

なぜ、オールマイトが勝ってほしい、

そう思っているの？？

にじゅうきゅう→←にじゅうなな

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す