艶美なるディーバの旋律 ページ6
(斎宮side)
ブー。と舞台の真紅の優美なベルベット
の舞台袖がゆっくり上がり開演を知らせる。
渉「宗。きっとあなたは驚くことでしょう。」
渉は目を三日月のように細め僕にそう言った。
宗「どういうことなのかね」
渉「まぁまぁ、見ていれば分かりますよ」
渉は妙に日との感情を見透かして来る。
掴み所がなく本当に魔人のような奴なのだよ。
完全に幕が上がり主役のヒロインの姿が見える。
宗「ッッ！？」
思わず目を見張り立ち上がってしまった。
その先にいたのは僕が一方的に見慣れていた彼女だった。
いつもの清楚で可憐な制服姿とは違い
髪を巻き、舞台用メイクをして、きらびやかな美しい
ドレスを纏っている。
フリルやレース、リボンといったクラシカルな
ドレスが彼女の美しさを存分に引き立たせていた。
どうやら彼女が演じているのは
はじめて恋を知った少女なんだそうだ。
まるで現時点の僕のようだね。
くるりくるりとドレスを揺らしながら
のびのびと美しい声で愛を知る喜びを歌う。
いつかは聞きたいと思っていた彼女の声は
心地いいソプラノでしっとりとした艶のある声だった。
ああ、なんて美しいんだろうか。
マドモアゼルと同じくらい美しいと思える女性
なのだよ。
渉「う！宗!!!いい加減座ったらどうです？？」
宗「あぁ。すまないね」
渉がずっと僕の事を呼んでいたようだけど
それに気付かない程夢中になっていた。
ブー。と幕が降りる。
彼女の奏でるミュージカルはどの演劇よりも
甘美で永遠に感じた。
渉「ほら。言ったでしょう？あなたは驚くと」
宗「、、、、、。君は本当に悪趣味なのだよ。彼女の
事を知っていたなら教えてくれても良かった
のでは無いのかね。」
むっとしながら渉にそう言うとクスと笑われた。
渉「ネタを最初からバラしてしまえば面白く無い
でしょう。マジックと同じなんですよ宗。」
渉「さぁ、行きますよ。宗」
宗「何処にだね。」
渉「何処って、貴方の愛しのコッペリアの君の元へ
に決まってるじゃありませんか。」
宗「ぼ！僕は遠慮するのだよ！」
まだ心の準備が出来ていない。展開が早すぎるのでは
無いかね！？
何故か僕らしくないそんな焦燥感に駆られてしまった。
渉「あぁ！！なんということでしょう。私は彼女に
芸術を分かち合える友が出来たと言ってしまって
今日紹介すると約束してしまいました。」
渉「困りましたねぇ！非常に！！」
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風花(プロフ) - 勿忘草色のダイヤスートさん» わっ、気づかなかったですありがとうございますm(*_ _)m (2022年5月26日 18時) (
レス) id: de4e4ca07b (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草色のダイヤスート(プロフ) - すみません、オリジナル作品のフラグが立ってますよ！ (2022年5月16日 16時) (レス) @page1 id: a8e241aa65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風花 | 作成日時：2022年5月16日 0時
