兄妹鬼 ページ2
(夢主side)
「禰豆子っ!!!」
師範と一緒に屋根の上を走っていると、
聞き覚えのある声が聞こえた。
『師範。今の声って炭治郎くんじゃない?』
宇隨「だな。登って確かめてみるか。」
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気配を消して近くで様子を見ていると。
炭治郎くんは暴走する鬼を羽交い締めにしながら
”ごめん、ごめんな”と謝っている。
すると髪の白い鬼がムクっと立ち上がり2人を
追いかけているのが見えた。
堕姫「よくもまぁやってくれたわね。鬼だけ燃やす
奇妙な血気術。しかもこれ、なかなか治らないわ。
物凄く癪に障る。物凄くね!!」
かなり鬼は頭に血が上っている様子だった。
『師範。多分あの鬼が蕨姫花魁。私が目をつけてた鬼』
宇隨「だろうな。派手に見てわかったわ。」
師範は気配を出して炭治郎くんに声をかけた。
私もその後ろをついて歩く。
宇隨「おいこれ、竈門禰豆子じゃねーか。
派手に鬼化が進んでやがる。」
『へぇ〜。これが噂の竈門禰豆子ちゃんかぁ。』
今はかなり暴走してるみたいだけど。
堕姫「柱ね。そっちから来たの。手間が省けた。」
宇隨「うるせぇな。お前と話してねぇよ。失せろ。
お前、上弦の鬼じゃねぇだろ。弱すぎなんだよ」
宇隨「俺が探ってたのはお前じゃない。」
堕姫「えっ!」
師範は鬼に冷たくそう放って頸を瞬く間に斬り落として
しまった。
斬った衝動で頸がゴロゴロと地を転がった。
堕姫「よくも私の頸を斬ったわね。ただじゃ
おかないから。」
宇隨「もうお前に用はねぇよ。地味に死にな。
だってお前。上弦じゃねーじゃん。」
堕姫「あたしは上弦の陸よ!負けてないからね、
上弦なんだから!」
『え、すぐに頸斬られたじゃん。』
思わず本音がポロリと出てしまった。
でも師範も同じ事を思ったらしくウンウン頷いた。
宇隨「負けてるだろ。一目瞭然に。説得力ねぇ。」
すると次の瞬間大声で鬼が泣き始めた。
威勢がよく気が強い彼女からは想像もつかない程
いたいけに泣いている。
『あれ、師範、頸斬ったよね?』
師範「おぉ。派手にな」
師範と二人で顔を見合わせた。
師範は唖然とした顔をしていた。おそらく自分も今
似たような表情をしていると思う。
おかしい。普通の鬼は頸を斬り落とした後、
しばらくの間はなにか恨み節を呟いているが、
この鬼は一向に消滅する様子が見られない。
あまりの異例の事態に私達は動揺が隠せない。
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作者名:風花 | 作成日時:2022年4月10日 21時