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(夢主side)
蘭「悪ぃ。弱みに漬け込むみたいで。」
『ううん。いいの、』
蘭ちゃんはキスした後しばらく何か考えるような
顔をしてから謝ってきた。
いつも女の子を連れてるような人に見えないくらい
純粋に謝ってきた。
蘭「さみぃな。」
『冬だからね、マフラーかけてあげるよ』
蘭「お前が寒くなんじゃん。」
『ふふ、』
蘭「着ろ。女が体冷やすな。」
って私の肩に特攻服をかける。
『これじゃあマフラーの意味ないじゃんw』
蘭「さみぃ。お前が俺をあっためてよ。」
『私、冷え性だから冷たいよ?』
蘭「いーから。」
『仕方ないねぇ。』
私より2回りくらい大きい彼の肩に頭を乗せる。
静かだ、冬の夕方で夜の帳がそろそろ下りようと
している。
『あのね、蘭ちゃん。』
蘭「ん?」
『私、キス、嫌じゃなかったわ?』
蘭「は?」
蘭ちゃんは勢いよく私の方へ振り返った。
『蘭ちゃん。落ち着いて、』
蘭「落ち着けるかっ!、、もっかい言って、」
『君とのキス、嫌じゃなかったってば。』
蘭「なに?俺に惚れたとか?」
『さぁね、』
蘭「俺、お前の事惚れさせるから本気で」
『うん。』
蘭「そろそろ帰ろーぜ。明日クリスマスだからな」
『そうだね。イルミネーションチカチカしてる』
『蘭ちゃん。寒いでしょ?特攻服返す。ありがとう』
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私は蘭ちゃんのバイクに乗せてもらいいつもみたいに
家まで送って貰う。
なんだか日課になってきちゃってるな、
これをすんなり受け入れている自分にもびっくり
なんだけど、
細くて、固くて真っ直ぐな背中に腕を回す。
すると蘭ちゃんは機嫌が良さそうに笑う。
そういえば私は蘭ちゃんの事どう思ってるんだろ、
彼からは毎日好き、愛してるって言われてるけど、
私はいつもそれを聞き流して終わり、
彼と心身に向き合えてない気がする。
私って酷い女だね。
ごめんね、って言っても諦めず毎日会いに来るから、
感覚が麻痺してしまってる。
でも近いうちに早く返事をしてあげなくちゃ。
『、、、、あともう少しだけ、待ってて、』
蘭「ん?なんか言った?」
『ううん、なんでもないよ。』
私の口から零れた小さな囁きは
バイクの騒音と街の雑踏によって掻き消されて行った。
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作者名:風花 | 作成日時:2021年11月5日 21時