灰谷蘭は高嶺の花を落としたい (ページ17)

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手のかかる親友ページ17

(なぎさside)

校門まで歩いて行くと今日も安定に立っている
みつあみおさげの美青年。

チラ、と隣を見ると”恋ってどうやってするんだっけ”
と悶々と考えているであろうAの姿。

きっとこのまま彼にAを託してしまえば
この子はドギマギしちゃうんだろーな。

こんな事はAにとってきっと初めてだから。

いつもはスンッ、としてて才色兼備なのに、
その実態は超ズレてる鈍感娘でドジ。

そんで人が良いから告白されると断れずに
付き合ってしまっていたような子なんだ。

自分から人を好きになったことがあるのかが
怪しいんだよね､､｡

それに幼馴染のガードが固すぎて
ろくに恋愛経験が無いし､､｡

蘭「あ！A〜。今日もかわいーね。」

『らっ、蘭ちゃん､､｡』

ほら、彼の顔が見れずにギクシャクしてるよ、
もー。見てらんないんだから。

「A。今日は私との先約があるでしょ？」

『え？そうだっけな？』

あんたに助け舟出してんだから頷きなよ。

「すぐそーやって忘れるんだから、全く。
ごめんだけど、今日は私にA譲って、」

『蘭ちゃん､､｡ごめんね？』

蘭「いーよ。明日は俺に付き合えよなー？」

そう言ってAの頭を撫でて去っていく。
それをぼんやり眺めるA。

なぎさ「久しぶりにさ、あそこのカフェ行こうよ」

『お！いいね！』

私たちはいつもの行きつけのカフェに向かった。

隣で呑気に歩くA。鼻歌まで歌ってるw

全く、手のかかる子だな。

なぎさ「フッ。」

『何よ、きゅーに笑って』

なぎさ「なんでもないよ。」

美人で、才色兼備で、真っ直ぐで、肝が据わっている

一見、隙の無い高嶺の花に見えるけど

ホントはおっちょこちょいでお茶目な
可愛らしい女の子。

私の自慢の手のかかる親友。

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(夢主side)

『今日ってさ、なぎちゃん。そんなこと言ってたっけ』

私は身に覚えのない約束を不審に思い聞いてみた。

なぎさ「言ってない。」

なんでそんなこと言ったの、なぎちゃん。

『えっ！？､､｡どうして』

なぎさ「ごめん、騙すみたいになって、ただ、」

『､､｡ただ？』

なぎさ「あのままだったらずっと彼の顔見れずに
ギクシャクしてたかなって、」

なぎちゃんは優しいな。そこまで考えてくれたんだ。

『ありがと、そうだったかもね。』

私はなぎちゃんと二人で会話に花を咲かせた。