繋ぐ~心に傷を負ったこどもたち~【7】

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岩本side




舘｢ そろそろ行こうか。｣
『 ……へ？どこへ？』



あれから30分後。
エプロンを取りながら舘さんがキッチンから出てきた。
行くって一体どこへ？？



舘｢ ……よし。みんな、シートベルトした？｣
阿｢ したけど…… ｣
舘｢ じゃあ出発進行〜 ｣




全員乗れるワゴンに乗り、一気に車を加速させる。
俺らが何度「どこに行くの？」と聞いても、返ってくるのはずっと「それは着いてのお楽しみ」って。




佐｢ ちょっと涼太ぁ！｣
舘｢ 少しの間だけだよ、我慢我慢。｣




1時間と少し揺られた頃には何故か目隠しを渡されて本当に何も分からなくなった。頼りになるのは舘さんが話しかけてくれる声と隣にいるふっかとのがっちり繋がれた手。
え、なになに。ガチで怖いんだけど。




舘｢ 目隠しそのまんまね〜 ｣



到着したらしい音が聞こえたあと、全員と手を繋がされ、俺を先頭に引っ張られてどこかへ連れていかれる。
なんか寒い……え、寒い？




舘｢ はい、じゃあ目を開けて？｣




目隠しを外すと、目の前にニヤニヤした舘さんの顔。
なんだ。翔太とみっちーもいるじゃん。




阿｢ 見て！あれ！！｣
『 ん？……うわぁ…！』




阿部の指す通りに上を見上げると、満天の星々。




『 綺麗…… 』




しょうたとみっちーが事前に引いておいてくれたブルーシートに全員で寝っ転がって空いっぱいの星空を見つめる。
なんて綺麗なんだろう。
まるで異世界にいるような感じがした。




舘｢ そろそろご飯食べようか。身体温まるはずだよ。｣
渡｢ やった！涼太のご飯！｣
深｢ めっちゃいっぱいあんじゃん！！やべ。腹減った。｣




なるほど、
昼間からずっとキッチンにこもってたのはこれか。
でもこんなにたくさん、どうやって持ってきたんだ。笑




『 うめぇ〜 』
佐｢ 沁みるねぇ〜 ｣




一口スープを飲んだだけでポカポカして、ふぅっと10個の白い息が現れた。

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