繋ぐ~心に傷を負ったこどもたち~【6】

番外編「俺は大丈夫。」 ページ38

優 様リクエスト
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渡辺side






『 雑巾かけるねー 』




『 涼太、この目玉焼き運んでいいやつ？』




『 俺洗濯物干してくるから！』




子供たちを起こす朝8時から子供たちが眠る夜9時まで。普通の仕事とは違って、俺らが働く時間はかなり長い。

しかも、常に職員3人体制で子供たちの世話を全てこなさなければいけないから、肉体的にもかなりきつい。




『 あー忙しい忙しい！』




13時間労働とはいえ、朝5時には起きて朝ごはんの支度や洗濯を済ませ、
子供たちが寝た後もミーティングを行ったりする訳で、実質俺らが働く時間は17時間越え。


自分たちのお風呂や、俺の場合スキンケアを行う時間も必要となると、
俺らが眠れる時刻は早くても深夜12時だ。




舘｢ しょうた、どこ行くの？｣
『 ん？ちょっとトイレ！』
舘｢ 1階の御手洗に行けばいいのに。｣
『 あ……ついでに子供たち起こそうかなと思って！』




もちろん、だからと言って辞めたいなんて思わないし、後悔もしていない。
この道を選んで良かったと思ってる。というか、労働時間がどうこうとか言ってるけどそもそもこれを仕事だと思ってない。家事なんて、世のお父様お母様方はせっせとこなすでしょ？17時間という長い時間は、家族と過ごす楽しい時間だよ。




『 ……37.6℃、』




しかし、身体は思うように着いていかないものだ。
いつも通りバタバタと動く合間にこっそり体温を計ってみるとまさかの熱。しかも少し高め。

どうりで体がだるいわけだ。




『 よし…………切り替え切り替え。』




熱があるとわかったところで俺は何も変わらない。
ただ、いつも通りに過ごすだけ。
予備で買っておいた風邪薬を口に放り込んで、俺は部屋を出た。




『 おーいみんな起きろ！朝だぞー！』




こどもたちに余計な心配かけたくないしね。
今日の夜アロマでも焚いてゆっくり寝れば治るっしょ。
呑気にそんなことを考えていた。

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